北見恭子

  • 桜前線 – 北見恭子

    「今年さいごの 桜じゃろうか」「何を云うのよ お父さん」浮かれ花見の 川堤(かわづつみ)先の父娘の 言葉が沁みる桜に人あり 涙あり偲ぶあの人 桜前線 人の別れが 多くもなった変わる浮世の 日暮れ坂添えぬじまいの あの人にせめていっぱい 桜(はな)いっぱいにあの空埋めて しまうほど咲けよ匂えよ 桜前線 父が耕し 守った土に母のいく汗 いく涙そっと私も 触れたくて帰りたくなる 今日この頃よ桜に幸あれ …

  • 石に咲く花 – 北見恭子

    雨の小さな ひとしずく‥石のくぼみに 紅い花長い月日を 雨風うけて一人ここまで 歩いて来たのいいえ いいのよ 悔いはない石に咲く花 私の夢は 人を愛して 傷ついて‥泣いて沈んだ 過去もある夢と引きかえ 失くしたものを月を見上げて 数えた夜もいいえ いいのよ これでいい石に咲く花 根強い花よ 女涙の ひとしずく‥夢の根雪を 溶かす春自分信じて 笑顔になれば生きる喜び 両手にあまるそうよ そうなの 明…

  • 恋双六(こいすごろく) – 北見恭子

    惚れて別れて 振り出しに戻る男女の 恋の仲双六遊びじゃ ないけれど賽コロ振るよにゃ いかないよ山あり谷あり 川もある上りが見えない 恋の双六 迷い道 玉の輿など 狙わずに男ごころを 射止めなよ人生双六 泣き笑いお酒がとり持つ 縁もある男を忘れる 酒もある上りはまだまだ 恋のかけひき 浮世道 振った賽コロ ゾロ目なら恋も女の勝負だよ双六みたいな この世でもこころの絆で 結ばれた真実一路の 愛もある上…

  • さみしがり – 北見恭子

    男ぎらいを 通せるもんか私の女が 愚図り出す叱ってよ 行儀が悪いと 叱ってよ夜に人恋う 遣り場のなさにせめてお酒の 助けが欲しい 浮気させずに 遊ばせるほど器量がなかった 寂しがり戻ってよ 独りにしないで 戻ってよ待てばいつかは 帰ってくれるいいえ今度は 勝手が違う 夢で抱かれて 襟もと乱す素肌の白さが 闇に浮く逢いたいよ 今夜はむしょうに 逢いたいよ胸が痛んで 枕をかえす女ですもの あなたが欲し…

  • 春の夢 – 北見恭子

    春を呼ぶのか ぼたん雪なさけの袂を また濡らす また濡らすあんたにあずけたおんなの夢を胸にうつして 寄り添ってはじらいながらかさねた指に 春の夢 青いほおずき 噛むようなかなしい過去は 捨てました 捨てましたあんたにひといろ 命を染めてついて行きます どこまでもうれしいくせに こぼれる涙 春の夢 どんな苦労を してもいいこころに結んだおんな帯 おんな帯ほどけば明日が 見えなくなるわ薄い陽ざしの こ…

  • 浪花夢あかり – 北見恭子

    思い通りに すらすら行けばおもろうないで 人生芝居泣いて笑って 苦労して尻切れとんぼの倖せを汗水ながして 追いかける道頓堀の 夢あかり お人好しでも 甲斐性がなくてもあんたはうちの 大事な人や逢うて三年 法善寺合縁奇縁の結び神なさけの柄杓で 水かけるお不動さまの 夢あかり 浪花おんなのこの細腕に預けなはれや あんたのいのち辛抱する木に 花も咲く帯には短い 襷でもふたりのこころの 〆かざり明日につな…

  • 高砂縁歌 – 北見恭子

    高砂や親の許さぬ 男と逃げて式もせぬまま二十と五年浮世寒風辛らくはないが切れた親子の 絆に泣けた 高砂や店も持てたし 繁盛もしたが何か足りない 銀婚祝いそれを子供が察してくれて呼んでくれたよ年寄たちを 高砂やがんこ親父の勘当もとけてめでためでたの二十と五年金の屏風に遅まきながら祝い涙の 真珠が光る 人気の新着歌詞 望郷夢のれん – 北見恭子 お国なまりでぽつりと話すお客さんの 言葉がし…

  • 浪花の月 – 北見恭子

    今日の飯(めし)より 明日(あした)の夢やそれがあんたの 口癖やものその夢一緒に また追いかけて肩を並べた 戎橋(えびすばし)あんたそびえる 通天閣や私 寄り添う 月になる 何は無くとも ふたりをつなぐ銭じゃ買えない 心の絆想い出映した 道頓堀の川に捨てたい 苦労でも背負(しょ)って行きましょ あんたとならば空に ひとひら 春の月 両親(おや)を泣かせて 一緒になって汗と涙の 路地裏住まい明日(あ…

  • 出世船唄 – 北見恭子

    出船の舳で 一升壜[いっしょうびん]がはじけてまっ赤な 旭日が昇るお守り袋に 子供らの写真を忍ばせ 赤道こえるいってくるぜ いってくるぜはるか地球の 裏側へ 毛蟹で稼いで ニシンで当てた思い出噺に 生きてる親父明日は倅に まかせてよ待っていてくれ 大漁便りそれでいいさ それでいいさ好きな酒でも やりながら 時計を合わせて 別れる女房0時を合図に 逢おうよ夢で俺らの目宛ては 黒マグロ船底いっぱい 土…

  • 霧情の港 – 北見恭子

    忘れたつもりのおもかげを思い出させて 今夜も霧が降るあんたはきっと帰ってきます半年待ったら 待たされついで紅いはまなす 枯れるまで 北国育ちの 鴎には嬉しがらせる 嘘などつけないさあんたはきっと 帰ってきます涙を枕に 夜通し酔ってほろり歌った お立ち酒 あんたの港はわたしだけ夢の灯りは 消さずに待ってるよあんたはきっと 帰ってきますもうすぐこの霧 霙に変わりゃ慕情抱えて 冬籠り 人気の新着歌詞 望…

Back to top button