北条美樹
夢情の宿 – 北条美樹
好きで添えないこの世の恋の
運命の辛さに貴方を責める
嘘で書いた宿帳の
妻と言う字のその上に
落ちる涙が 止まらない
ふたりぼっちの夢情の宿よ
ゆかたを羽織る貴方の背中
切ない思いのやり場のなさに
少しやつれて目に映る
思い過ごしか気のせいか
足手まといになるのなら
これが最後の夢情の宿よ
季節はずれの吹雪の音が
すすり泣くよに心にからむ
お酒の力で切り出した
別れ話を聞き流し
何も言うなと抱き寄せる
恋の止まり木夢情の宿よ
好きで添えないこの世の恋の
運命の辛さに貴方を責める
嘘で書いた宿帳の
妻と言う字のその上に
落ちる涙が 止まらない
ふたりぼっちの夢情の宿よ
ゆかたを羽織る貴方の背中
切ない思いのやり場のなさに
少しやつれて目に映る
思い過ごしか気のせいか
足手まといになるのなら
これが最後の夢情の宿よ
季節はずれの吹雪の音が
すすり泣くよに心にからむ
お酒の力で切り出した
別れ話を聞き流し
何も言うなと抱き寄せる
恋の止まり木夢情の宿よ
あなたの愛から旅発つ午後は朝から無口な 九官鳥(きゅうかんちょう)おしゃべり上手な鳥だけど別れの気配も 分るのねさよなら言わずに出て行くわあなたも黙って見送って
女が口紅 ひくときはみれんに区切りをつけるとき道頓堀の 花に群る遊蝶たちとの 人情芝居顔で負けても 色で勝つ女が黒髪 切るときは涙と一線 画すとき宗右衛門町の
生きてく勇気が ふたりにあれば手探り人生 ねえ いいじゃない貧乏 貧乏ぐらしは なれっこだからあんたのその手のぬくもりだけで日陰の小さな つぼみでも明日に咲きま
戻りを待って 三十路を越えた女は京の 橋の上なのに男は 他国の空で妻をむかえて いるとゆうつらい噂が 噂ばかりがああ 戻り橋 なみだ橋まぼろしだけの 逢瀬を待っ