初田悦子

きみのママより – 初田悦子

まだ早い春の風吹いた窓際で
大きなお腹なでながら そっと呼びかけてみたの
春のように心温かく 穏やかであるように
そんな願い込めたその名前 きみも気に入るのかな?

初めて聴いたきみの声 忘れないわ
ママを選んでくれたきみにやっと出会えたんだね
しわくちゃで小さな手のひらキュっとつぼんだだけで
ほろり涙があふれ出して 幸せ って呟いてた

ママはママは弱いの きみが強さくれたの
いつでも頼って ここにいるよ
ママのママの寂しさも きみが包んでくれるの
ねぇ聞いてちょうだい これだけは伝えたい
ありがとう 生まれてきてくれて

あの寒い雪の夜 覚えているかな?
泣いてるきみを怒鳴りつけ 抱いた手を離した
真夜中 涙顔で眠る きみを見つめながら
ごめんなさい って繰り返し 朝が来るまで泣いてた

何でそんなことしたの? って 思っているよね
だけど どうしてなのか はっきりわからないんだ
小さなきみに 大きな傷跡 残したんじゃないかな
今も寝顔見るたび 胸がチクチク痛みだすんだ

ママはママはもろいの きみが支えてくれたの
世界で一人の きみのママだから
ママのママの涙も きみが笑顔に変えるの
ねぇ聞いてちょうだい これだけは伝えたい
どんなときも きみを守るから

生きていれば 避けられない
別れがある 痛みがある
泣けばいいの きっと いつか 愛する意味に気付けるから

ママになれば夢なんて 後回しと思ってた
心が騒いでも 見ないフリして
君が教えてくれた 追いかけるママ素敵だよって
ねぇ聞いてちょうだい これだけは伝えたい
きみのママは きみを愛してる

ママはママは弱いの きみが強さくれたの
いつでも頼って ここにいるよ
ママのママの寂しさも きみが包んでくれるの
ねぇ聞いてちょうだい これだけは伝えたい
ありがとう 生まれてきてくれて

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