出光仁美

  • おいらの船は300とん – 出光仁美

    港出たなら 鮪を追って越える赤道 南方航路おいらの船は 300とん昔親父も 来て働いた海はみどりの インド洋(アーエンヤコラセ アエンヤコラセ) 波が荒れよと がぶろとままよ海の男は でっかい度胸おいらの船は 300とん白いペンキは はげてはいるがしけが来ようと へっちゃらさ(アーエンヤコラセ アエンヤコラセ) 三日続きの 寝不足こらえ汗にまみれて 引く鮪縄(まぐろなわ)おいらの船は 300とん伸…

  • 大川くだり – 出光仁美

    ちょいとごらんよ 三日月さまが舟の後ろを ついてくる好いて好かれて その気になって人目忍んで ゆらゆらゆらり濡れてみたさの エェ~大川くだり 差しつ差されつ 着物の裾もいつか乱れて 宵灯りとめておくれよ 浜町河岸にいっそ朝まで ゆらゆらゆらり浮き世捨てましょ エェ~大川くだり いやだいやだよ 別れるなんて帯もとかずに このまんま清州橋から 永代橋へ夢も流れて ゆらゆらゆらりほんにせつない エェ~大…

  • 再会橋で – 出光仁美

    南の風が 春を呼び優しく髪を なでてゆくすずらん一輪 胸に抱き幸せを 呼びよせるきっときっと 逢えますね再会橋で 待ってます 大潮満ちる この橋は待ち人来(きた)ると 先人(ひと)は云う願いはひとすじ 逢いたくて占いも 信じたいきっときっと 逢えますね再会橋に 来ています あいたか橋で 待ちこがれときめく胸が 痛みます一度でいいから この胸に夢灯かり 点したいきっときっと 逢えますね再会橋で 待っ…

  • あいたか橋で – 出光仁美

    出船入船 数ある中でなんで恋しい 船はない帰り間近と 知らせがあれば汐の匂いも やさしく沁みる香椎北浜 あいたか橋で爪先立てて 待ってます 便りないのは 元気なしるしだけど逢いたい 今すぐに秋はまだいい 冬ともなれば肌が冷たい あなたが欲しい香椎北浜 あいたか橋で温もりひとつ 夢ひとつ 岬すぎれば 三角波が帰るあなたを 拒むのか空は澄んでも まぶたは曇る辛い恋でも この恋すべて香椎北浜 あいたか橋…

  • 遠い花 – 出光仁美

    肩にまわした その手から幸せ逃げる ときがあるいつでもひとり だったから悲しいけれど わかりますあぁ 雨です あなた愛していてもいいですかそっと ゆれます 遠い花遠い花 少し涙を みせたなら優しさくれる 人だから今夜も少し 泣きました切ない嘘を つきましたあぁ 夜です あなた甘えていてもいいですか今日は さみしい 遠い花遠い花 明日がみえない ふたりにも桜の花は 咲きました散るなら散るで それでい…

  • 茶屋町しぐれ – 出光仁美

    ビルの谷間の 赤提灯でどうせ飲むなら 楽しく飲めよボチボチいこかと諭してくれたあなたの優しさ 身に沁みて涙に滲んだ 茶屋町しぐれ 何はなくても 心があれば怖いものとて 何にもないよボチボチいこかと大阪弁のあなたの言葉に ほだされて夜更けて降る降る 茶屋町しぐれ ひとの親です 児のいる身ですそれがどうした 何とかなるよボチボチいこうよ出直し利くとあなたが勧(すす)める 燗の酒注ぎ分けましょうか 茶屋…

  • 望郷小倉太鼓 – 出光仁美

    畳一間の 明かりを消せば小倉太鼓が 聞こえてくるよひとりぼっちに 寝酒が沁みりゃやけに故郷 恋しくて帰りたい 帰れない擦れた毛布で 泣き明かす泣き明かす 心ひとつを 二つに分けて恋と夢との 狭間でゆれた月も片割れ 玄界灘に置いてきた日が 懐かしい会いたいよ もう一度遠い十九の あの人にあの人に その手に孫を 抱きたかろうに詫びても詫びれぬ 幾年月よアー ヤレソノ ヤンサノセー 幼なじみも 祭りにゃ…

  • おんな七厘・神楽坂 – 出光仁美

    三味線(しゃみ)の弦(いと)なら 切れても張るが切れりゃ他人の 恋の弦吊るしぼんぼり 灯(あかり)がともりゃ桜七厘 七分咲き涙こらえる エー…神楽坂 柳結びの 引き着の帯をあなたほどいて くれますか浮いて浮かれた さわぎの後はこころ乱れる 裾さばき酔えば揺れます エー…軽子坂 石の畳も 黒塀路地も雨に濡れてる 隠れ恋夜明け参りの 毘沙門さまよおんな 七厘 七分咲き願い掛けます エー…神楽坂 人気の…

  • 月様小唄 – 出光仁美

    月様 月様 どちらまでほど良い あかりの 窓の月目つき 腰つき 言葉つき落ちつき なくして 思いつききっと あの娘と 結びつき(アレ) 憎い人 月様 月様 知らないの?あの娘は 札つき いわくつき手つき コブつき キツネつき嘘つき ヒモつき 運のつきハート キツツキ 吸血鬼(アレ) 言い過ぎた 月様 月様 わたしなら家つき 顔つき おスミつきめでた めでたの 若松で紋つき ハカマで 箔もつき町はモ…

  • 忘れ雨 – 出光仁美

    愛して三年 口には出さず少し離れて あなたを見てたわたし不幸は 慣れてます落ちる涙よ 目尻で止まれ耳から心に 入るなよのれん揺らすな 忘れ雨 すいせん一輪 飾っただけの橋のたもとの 小さな酒場わたし不幸は 慣れてます化粧濃い目に 涙をかくすあなたに愚痴など 言いません胸にしとしと 忘れ雨 あなたの背広を 背中にはおり酔って眠った 帰らぬあの日わたし不幸は 慣れてますいつになったら 一言言える母さん…

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