内田あかり
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鳴らない電話 – 内田あかり
今年は電話が 鳴らなかったわ年明けにはいつでも かかった電話元気でいるかと ただそれだけのあなたの声が 懐かしかったのよふたりの恋は 理(わり)ない恋で死ぬほど悩み 別れたけれどあなたのやさしさ 忘れられない想い出だけは しまってあるの 電話が鳴らない 年があったらもうこの世にいないと 思ってくれと冗談みたいに 笑ったけれどあなたの声に 元気がなかったわふたりの恋に 悔いなどないの真実(ほんと)の…
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遥か – 内田あかり
この道を歩いて来た行き止まりかもしれないのに果てしなく広がる空の様に道は続くどこまでもセピア色した想いも飛び散る銀色の川の様に流れ流れて辿りつくさきは穏やかな碧い海 愛おしい人よ忘れない涙かれるとも忘れないいつまでも いつまでも この風に吹かれて来た砂漠に躍る砂の様にどこに行くかわからない風の様に季節を運んでくれる淡くせつない想いも瞳を閉じればほんのひと時陽はまた昇る明日がある限り一瞬の輝き 人気…
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六月の花嫁 – 内田あかり
幼いと思ってた 娘が結婚するとあの人に伝えてよ 鳥よ風よ雲よ六月の花嫁は 幸せになると囁いた遠い日よ 今は時のかなた「もう心配しないで…いい青年でしょう?若い日のあなたに似てる…mm」天国の窓辺から 見ていてくれるわね愛娘(いとしご)によく似合う白いウェディングドレス 祝福とため息が ふたりを包んでいるの輝いたその姿 きっと忘れないわこの胸に生きている 面影はひとつ空いた椅子あの人の ために置いて…
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永遠の恋人 – 内田あかり
窓辺に舞い散る 楓(メイプル)の落葉たち静かに降りつもる ふたりの時間(とき)のようね胸に残された くちづけの痕跡(あと)を指でなぞれば うずきだす恋心ああ… あなたに出逢い また愛を信じられた泣きたいほどの幸せに愛を 愛を信じたたどり着けたの 夢のたもとまであなた あなただけが 永遠の恋人(ひと)よ 離れるそばから 逢いたくて堪らない切なさ止まらない こんなに揺れる心どんな形でも いつか来る別離…
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三色幻燈 – 内田あかり
夜の風が カタカタとガラス窓を 叩いてるそうね 季節が変る頃になったわオン・ザ・ロック 前に置き煙草ばかり すうひとに話しかけても恋に変らないけどあきらめて何になるでしょうさよならは 心を削(けず)るだけ愛と涙とためいきの三色幻燈 うつしましょう どこか大人 また子供人の顔は わからない長い月日をかけて見つめつづけて酔えば 少しうちとけて歌ううたは ボブ・ディラン風に吹かれてどこか遠い目をする悩ん…
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かたむいて – 内田あかり
砂漠の風にまぎれた 少女のささやきにふりむけば 胸にしのびよる 捨てたはずの日々アルジエに届く便りは せつない文字ばかり何もかもが うそのように蒼く透きとおるかたむいたら かたむいてよ かたむくから あなたにくずれ堕ちる砂の愛に歩けないでいるJUST FALL IN BLUE 羊の群れのむこうに 炎のような夕陽がふりむけば月はかたむいて 祈りのシルエットチェニスにむかうキャメルにあなたへの想いを旅…
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好色一代女 – 内田あかり
水風呂に熱い身体(からだ)を沈めても火の蛍 殺しきれずに闇に飛ぶ荒くれの腕の中 さらされて二度も三度も二度も三度も 恋慕うあゝ恋する女は罪ですかあなた あゝめらめらとそれぞれの利き腕で夢を見るのも 女…あたし夫がいますでも愛さずにいられない 耳をあて聴いて下さい 血の音を好きだから 二人どちらも好きだから姫鏡覗(のぞ)き込み 紅をひく二度も三度も二度も三度も 爪を剪(き)るあゝ切なさつらさは罪です…
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ホテルサンセット – 内田あかり
あれはもう むかし話ね人に言えない 恋をして死のうなんて 思いつめたそんな時も あったわねホテル・サンセット ティールームにあなたを見かけたのホテル・サンセット 家族と一緒のあなたを見かけたの燃えるような熱い日々が 切なくよみがえるのよ 髪はもう 白くなっててそれが素敵に 似合ってる命かけて 愛したひとすべては遠い 夢なのねホテル・サンセット 陽射しの中私に気づかないホテル・サンセット 微笑みなが…
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追憶のボレロ – 内田あかり
きっとあなたは 知らないでしょう今も私が 愛してること黄昏の街の 人ごみの中気づけば面影 捜しているのあぁ女って 嘘がつけないの自分の心には 嘘がつけないの忘れるために 何度恋してもあなたしか愛せない 追憶のボレロ きっとあなたは 幸せでしょうだから私は 逢??わずにいるの実らない恋の 哀しみよりもきれいな私を 覚えていてねあぁ女って 夢に生きている思い出ちりばめた 夢に生きているあなたの噂 耳に…
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お行きなさい – 内田あかり
お行きなさい 振り向かないであなたを待ってる 誰かのところへ私のことは 心配ないわいつでも一人で 生きて来たから愛すればこそ 愛すればこそあなたと別れる 女の想い悲しいけれど 知らないままでいいあなたは幸せに なりなさい お行きなさい 二つの愛に苦しむあなたを 見るのはつらいの身を引く柄じゃ ないけど元の気ままな暮らしに 戻るだけだわ愛すればこそ 愛すればこそあなたに尽くして 過ごした月日短いけれ…