光岡洋

島立ちの春 – 光岡洋

波のしぶきで このツラ洗う
黒潮ハガネの 腕っぷし
東シナ海 西から東
夢と魚を 追ってゆく
海の男のヨォー ふるさと甑島(こしきじま)

俺も十五で 島立ちしたが
伜(せがれ)もこの春 島を立つ
海は広いが 世間も広い
デカい男に なって来い
笑顔かわいいヨォー 嫁でもつれて来い

いつか島酒 お前とふたり
呑み干すその日が 来るだろう
海の男は 黙って笑え
今日の島立ち 待ってたぞ
俺とお前のヨォー ふるさと甑島

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ふたりの港町 – 光岡洋

夜の港の 舟だまりなんで泣くのさ 心配ねぇよ世間の風なら 仕打ちなら俺が受け止め はねかえす涙 潮風 ふたりの港町ふたりあの街 捨ててきた明日はどの街 なんとか

羽越本線 – 光岡洋

冬のカモメが 霙(みぞれ)にぬれて一駅過ぎても ついてくるどこか別れた おまえのようで途中下車した みなと町二つの恋に 揺れまどうおんなの涙が つらいから俺は黙

野郎船 – 光岡洋

あばよ一つで 出てゆく俺を責めてくれるな 鴎の群れよいくら惚れても あの娘を船に乗せてゆけない カムチャッカ沖にゃなまじ一夜の 情けをかけりゃ辛くなるんだ 野郎

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