優利香

ノスタルジーラムネ – 優利香

どこまでも続いてく田んぼ道と緑の丘
風が吹き抜けて遠くから聞こえる風鈴の音
早く家に着いた方が勝ち 君は笑っていた
ただし畦道を歩く事 僕達だけのルール

「あのフェンスを飛び越えたら、
私達どうなってしまうの?
…未来を迎えにいこう」

何気ない言葉が刺さった

迎えた未来はどうだい?
満員電車 街の雑踏 ビルの隙間
閉ざした心 冷たい瞳
僕は変わってしまいそうだ
君は今何処に居るの?

あの夏はもう二度と帰らない 分かってても
甘酸っぱいラムネみたい 切なくて思い出すな
届きそうで届かない 君はビー玉みたいだった
変わらないで あの日と同じ空の下にいる

いつもの空き地でしたドッジボール覚えてる?
僕は最後まで苦手だった 上手くキャッチ出来ない
そのボールが今では人の言葉に代わっている
上手くかわせもしない 投げ返せも出来ないままさ

今日もすれ違う人の舌打ちに苛立ち
人生って何だろう
今君はきっと幸せだろう

あの夏に一度だけ 戻れるとしたら僕は
さよならと泣いた君 本当の気持ちを探す
甘酸っぱいラムネみたい 切ない嘘はつかないで
変わらないで 行かないで
そう言えばよかったの?

ノスタルジーラムネ
懐かしさが駆け巡っていく
涙が頬を伝う 星の見えないこの街で

さよなら その声も笑顔も飲み干してしまおう
甘酸っぱいラムネの味 噛み締めて微笑んだ
届きそうで届かない 君はビー玉みたいだった
変わっていく 忘れていく でも同じ空の下にいる

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