倉橋ルイ子

同じ景色を見つめた日 – 倉橋ルイ子

夕暮れの公園で これが最後のデートだね
オレンジ色の陽だまりで 遊ぶ子供たちを見ている

今日までのいつよりも 今がいちばん素敵だね
そんなやさしい横顔を 失うのはつらすぎるけど

ねぇ ほんの少し
手を つないでもいい?
言い出せないのは
手をはなす時がこわいからよ

同じ景色を見つめた日は もうこないのね
いつまでも こうしていたいけど ふたりはもうすぐ
別の景色を見るために 離れていく

お互いの見る夢は 始めから少しちがってた
許しあおうとするたびに 想いあう気持ちが 冷めてく

いつの日かふりむいて あなたが思い出す私は
怒ったり泣いたりじゃなく 素直な笑顔ならいいけど

ねぇ どんなときに
こんな 私を好きだった?
そう聞けないのは
声を出せば涙あふれるから

同じ景色を見つめる日は もう戻らない
でもきっと忘れられないから これだけは聞いて
“夢を見失しなった時は 戻って来てね”

同じ景色を見つめる日は もう戻らない
でもきっと忘れられないから これだけは聞いて
“夢を見失しなった時は 戻って来てね”

オレンジ色が消えて 黙ったままのあなたが
立ち上がったらその時に ふたりのすべては思い出になる
思い出になる…

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