佐藤千夜子

紅屋の娘 – 佐藤千夜子

紅屋で娘の云う事にゃ
サノ 云う事にゃ
春のお月様薄曇り
トサイサイ 薄曇り

お顔に薄紅つけたとさ
サノ つけたとさ
私も薄紅つけよかな
トサイサイ つけよかな

今宵もお月様空の上
サノ 空の上
一はけさらりと 染めたとさ
トサイサイ 染めたとさ

私も一はけ染めるから
サノ 染めるから
たもとの薄紅下さいな
トサイサイ 下さいな

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愛して頂戴 – 佐藤千夜子

ひと目見たとき 好きになったのよ何が何だか わからないのよ日暮れになると 涙が出るのよ知らず知らずに 泣けてくるのよねえねえ 愛して頂戴ねねえねえ 愛して頂戴ね

波浮の港 – 佐藤千夜子

磯の鵜(う)の鳥ゃ 日暮れにゃ帰る波浮の港にゃ 夕やけ小やけ明日の日和は ヤレホンニサ なぎるやら船もせかれりゃ 出船の仕度島の娘たちゃ 御神火(ごじんか)ぐら

ゴンドラの唄 – 佐藤千夜子

いのち短し 恋せよ 少女朱き唇褪せぬ間に熱き血潮の冷えぬ間に明日の月日のないものをいのち短し 恋せよ 少女いざ手を取りて彼の舟にいざ燃ゆる頬を君が頬にここは誰も

東京行進曲 – 佐藤千夜子

昔恋しい 銀座の柳仇な年増を 誰が知ろジャズで踊って リキュルで更けて明けりゃダンサーの 涙雨恋の丸ビル あの窓あたり泣いて文書く 人もあるラッシュアワーに 拾

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