佐藤千亜妃

声 – 佐藤千亜妃

ため息ひとつつくたびに風が拭った
信号が点滅しては歩けと急かす

賑やかな街の光
目を背け ただ立ち尽くす

声が聴こえたような気がして
人混みの中で君を探した
何度も描いて消した未来が
今も鮮やかに胸を締め付ける

はしゃいで振り向く
君の面影

左脳が覚えてる 君と見た夜明け
心臓が点滅しては痛みを流す

もう二度と誰のことも
愛せなくていいと思った

例えばあの時選んだ答えが
違ければ今もそばにいれたかな
なんにも叶えてやれやしなくて
手を離すことが愛だと思った

幸せでいてくれよ
僕のことは忘れて

いつもより寒いのは
春の夢を見たから
モノクロの温もりに
ゆらゆら揺れてた

声が聴こえたような気がして
人混みの中で君を探した
声にならない想いがそっと
降り積もって白く道を染めてゆく

例えばあの時選んだ答えが
違ければ今もそばにいれたかな
肺を突き刺す澄んだ世界で
今はもういない君の名を呼ぶよ

はしゃいで振り向く
君の面影

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