佐藤千亜妃

キスをする – 佐藤千亜妃

今日は晴れた日で
それでも少し怯えていた
何もかも上手くいく、だなんて
思えるほどもう子供でもなくて

気付かぬように蓋をしていた想い

もしもあの夜に戻れたならと
何度も思い出すよ
とりとめのない言葉だけが
雑踏にかき消されていく

見上げた空が繋がってるとしても
遠すぎて遠すぎて何も見えなくて

ああ いつか死んでしまっても
星になって風になって きみを見つけるから
ああ 例えば生まれ変われるなら
鳥になって花になって きみにそっとキスをする

2度と会えぬ人に手紙を書いてみようと
広げた紙が  まばたきする度 水玉模様になってゆく

ほんの一言が伝えられないままで
過ぎ去った時間はもう2度と戻らない

ああ いつか死んでしまっても
星になって風になって きみを見つけるから
ああ 例えば生まれ変われるなら
鳥になって花になって きみにそっとキスをする

大きく息を吸って
涙こらえた
強い風が吹いて
自分を見失いそうになる

ああ 僕らは死んでしまうけれど
いつかきっとどこかでまた会えると信じてる
ああ 伝えきれない言葉が溢れ出す

ああ いつか死んでしまっても
星になって風になって きみを見つけるから
ああ 例えば生まれ変われるなら
鳥になって花になって きみにキスをする

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