伊勢正三

B級映画のように – 伊勢正三

時代の子供のように
店の片隅
飲み明かしたね
おまえとはあの頃

戦う大人でいたいと
口をとがらせ
悲しいくらい
うぶな時代だった

すべて心のままに
傷つき破れて恋したように
時を駈け登るだけ たとえ
それが下りて来る
エスカレーターでも

おまえと約束したこと
悪ガキのように
常識の窓
飛び降りきれなくて

誰かを見上げるような
見下すような
白いカードの
肩書きも ちぎれず

今は都会の中に
いつしか紛れて
暮らしてるけど
ずっと風を待つ船 今も
胸の片隅に
そっと繋いでるよ

今は忘れかけてる
B級の映画の生きざまのように
風を心にうけて おまえと
肩をいからせて歩いた帰り道

それは忘れかけてる
心にぐっとくる たまらないもの
誰も知ってるはずさ
たとえ それが演歌でも
ロックンロールでも

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