伊勢正三

  • 想い出がつきない夜 – 伊勢正三

    ひとつだけ ちぎれた雲にもしも心が あるとするならどこに魅かれて この街へと 流れ来たのかそして何処へと 行くのか 想い出がつきぬ この街の空の下悲しいことばかりあったねいつも街を見てたね 心には いつか消えてゆく長い影法師をひいてこんなにぎやかな街並に まぎれていると過ぎたあとで知る 季節よ 幸せに わざと背を向ける そんな淋しい男達の住む街見慣れた空の街角 想い出も あとで過ぎてしまえば なぜ…

  • 小さな約束 – 伊勢正三

    送って来たのに「ここでいいから」とバックミラー映る おぼつかないハイヒール二人だけの未来に 続く道はどこにある見えない街角 君が曲がる‥その前に 自分に素直なだけなら 恋はどうして罪になるの?「楽しかった」とうつむく 「でも寂しい」と微笑むそんな君のやさしさに 向かい風の中で誓った さよならするくらいなら 他には何もいらない‥せつない願い一つ 叶えてあげられずに 勘違いばかり そう肝心な近い思いな…

  • 夏純情 – 伊勢正三

    宵祭りぽつり雲は錫(すず)色に浴衣の薄紅 君を浮き彫りにしてる こんな日に限って制服 胸のポケットペンのインク 滲むハートになるんだwo_ 音もなくて 遠い花火弾けるwo_ 待ち合わせて なおさら‥夏純情 紅い帯‥ゆらり (‥ユラリ)逃げる金魚みたいすぐに破れて 紙のハートになるんだ 風やなぎ夕凪セルロイドの風車走れば 回せた 初恋の“迎い”風wo_ 長い石段 触れたままの指にwo_ ここにとまれ…

  • 雨のウインク – 伊勢正三

    冷たい雨の中でも しあわせに肩を濡らして歩こう銀色の道 訳など‥それは内緒で 思いつめた瞳が 今夜も愛しいからほんのひと時だけの 時が流れてもいつまでもいつまでもずっと 都会は恋のあぜ道 雨音ウインクしてる見上げるビルの谷間も 心は区切りない空 どうせ二人のために‥ 傘に隠れるようにイチョウ並木を秋に 色づける雨よこのままでこのままで ずっと スキだから気付かぬ その胸の痛みをどこか遠いところへ …

  • コートに花束を隠して – 伊勢正三

    コートに花を隠して 君の家まで曲がり角ドキドキするなんて‥それくらいのキモチ 君のほっぺに ご飯粒 昼飯時を忘れてたなんてドジなオレ 初めての恋 Ah- まぶしさの中には Ah- 君がいたんだなんて幼なじみの季節に 知らず咲いてた花をそっと君に送るよ 階段下から響くのは 君の親父の咳払いいえいえ違うんです‥今日だけは違う Ah- 春風の中には Ah- 桜吹雪のようなどこかちょっぴり哀しい 見送るよ…

  • 冬の恋 – 伊勢正三

    さよならは言わないで このままお別れしましょう寂しさと また逢えるときめきは つづれに織りなすもの もしも今 一粒の時を戻せたら 何を望むの寂しさは まるで砂時計 積もるように満たされては good night さよならは言わないで このままお別れしましょう冬の恋 温もりで滲む窓 冷たく透き通る前に せめて今 強がるふりして マニッシュなトレンチコートいつもより きつめに結んで 歩き出そう振り向か…

  • 秋の葉の栞 – 伊勢正三

    ほんのりと この胸の中に 点るような夏の蛍はもう何処かへ飛んで行ったの?好きな気持ちがそばにあると 少し窮屈になるのが恋だなんて‥知らなかったよねえ どうして… 逢えなくなってから 僕らは初めてそれが恋と気付いたのかな季節の色が変わるキモチになって ただ哀しいだけだったのに鮮やか過ぎる葉鶏頭 夏の終わりを告げる 君のまるで子猫のような そんな爪の傷の痕も 今はなお 愛しいくらいかけ違いの胸のボタン…

  • イノセント・ノベル – 伊勢正三

    きっと恋は‥子供の頃 覚えたばかりの言葉のようなものそれはまるで 誰にも書けない 不思議な小説みたいに穢れなく 綴られた 間違いだらけの文字 行方のないストーリーだから めくりめくページめくる指を そっと湿らせてしまう いつかきっと‥めぐり逢える 記憶の小路(こみち)の景色のようなものそれはまるで 誰にも見せない 甘い白日夢みたいに雨上がり 月かがり 私は宵待ち草 誰そ彼に腕枕そんな しおれないま…

  • テレポーテーション – 伊勢正三

    静かな雨音に 目覚めるように誰にも気付かれず そばにいてどんなに離れても 二人はきっと二つで一つだと 感じてる‥ さみしさは距離じゃない もどかしいキモチこんなにも そばにいること感じながらずっと 逢えない時間だけ 僕らはきっと何かで結ばれて 強くなる その時同じこと 同じ素振りまばたく間さえ ないくらいどんなに離れても その瞬間二人は一つだと 気付いてる 光より速く走る? 君への想いこんな時 ア…

  • 冬の恋-parallel – 伊勢正三

    もしも今 一粒の時を戻せたら 何を望むの寂しさは まるで砂時計 積もるように満たされては good night さよならは言わないで このままお別れしましょう冬の恋 温もりで滲む窓 冷たく透き通る前に 君は踵を返し 寂寥の黄昏に消えた 夜空の紺青は深い海のようだいつか晴雪の空で 僕らはきっと‥また逢える せめて今 強がるふりして マニッシュなトレンチコートいつもより きつめに結んで 歩き出そう振り…

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