二葉百合子

  • 花衣 – 二葉百合子

    男ごころの 狭間(はざま)に咲いたおんな友禅 花衣この世ばかりか 次の世までも真実一彩(まことひといろ) 倖(しあわ)せ染(ぞ)めと決めた恋さえ 唐錦(からにしき) 逢えば短い 逢わなきゃ長い焦(じ)れて泪の 花衣夢の中だけ 優しくされて覚めりゃ冷たい 逆夢(さかゆめ)ばかり綴(つづ)れ帯とく 春の宿 憎(にく)さ余って 二の腕噛(か)めば赤く芽を吹く 花衣当てがあるよで 噂で消える所帯話を つな…

  • 北郷の母 – 二葉百合子

    ゆめも寒むかろ さいはての母の墓標に 霧がふるかもめでさえも 行けるのになぜに行けない あの島へ あーいまは異国のふるさと 千島 おかあさん…聞こえますか 私の声が島を追われたあの日から人さまの情の袖にすがりつつ女ひとり生きて来ました………おかあさん あゝ また霧笛が声を消すんですせめて故郷(ふるさと)が せめて故郷があったなら…… 母の位牌を 背なにしょい親のない子は 泣けもせず知らない人に 手…

  • 母から娘へ – 二葉百合子

    悲しい時は 無理して笑え笑顔(えがお)が心を 晴れにする母の口ぐせ 受けついで育てた娘が 母になる世の中千篇(せんべん) 変っても変らないのが 子や孫に母が気づかう あたたかさ 上には上の 世界があって下見りゃこれまた きりがない見栄(みえ)をはっても 苦労だけ自分の器量(きりょう)で 生きなさいあなたが育てる 子供らが大きくなって 思うのは母のぬくもり 子守唄 叶える夢や 叶わぬ夢も人にはそれぞ…

  • 風 – 二葉百合子

    山なみ越える そよ風が幸せ薄い 肩を抱くありがとう あなたありがとう 風よひとりじゃないと 囁(ささや)いて優しく包む 花吹雪涙は捨てて 歩こうよ ひとつの川の 流れさえ別れる時が 来ると言うありがとう あなたありがとう 風よ心の限り 尽くしても背中を向ける 愛の影未練は消して 歩こうよ 渚を渡る そよ風がやつれた頬(ほほ)に 頬寄せるありがとう あなたありがとう 風よ昨日の夢を 遠くする明日(あ…

  • 浪曲ドドンパ – 二葉百合子

    妻は夫をいたわりつ 夫は妻に慕いつつ 見えぬその目を 治そうとたどる壺阪 月の道可愛いお里の 純情が観音様に 通じてかやがてご利益 あらたかに沢市さんの 両の目がドドンパっと 開(あ)いたとさドドンパ ドドンパ 浪曲ドドンパ 旅行けば 駿河の国に茶の香り 富士を背にして 四国までひとり気侭(きまま)な 船の旅話し相手の 江戸っ子に東海道(かいどう)一の 暴れん坊馬鹿と云われて 口惜しくて石松さんは…

  • 人生流転笠 – 二葉百合子

    山があったら 登ればいいさ川があったら 渡りゃいい親も故郷も いのちの恋も捨てていばらの ながれ旅女・女一代 流転笠 花の向こうで うつむく落葉(おちば)これが浮き世と 云うものか男まさりの こころを濡らす情けなみだの 通り雨女・女一代 流転笠 義理の柵(しがらみ) ほどけるまでは脱いだ草鞋は 他人(ひと)のもの運否天賦の 命がひとつ明日へ転がりゃ 又の旅女・女一代 流転笠 人気の新着歌詞 瞼の母…

  • 人生列車 – 二葉百合子

    遠い 遠い望みを 尋ねる旅は花も 花も咲かない 果てない鉄路おなじ想いか 手荷物ひとつ窓を見つめる 隣のひとにいつか いつか寄り添う 人生列車 なにも なにも当てなく 降(お)りたつ町はみんな みんなうわべの 優しさばかり冷えた駅弁 分けあいながら地図をひろげる 二人の指をせめて せめて星くず 温(ぬく)めてほしい どこに どこにあるやら 終着駅はいつも いつも乗りかえ 乗りつぐ旅よいいえ心の 絆…

  • 三味線仁義 – 二葉百合子

    照る日曇る日 旅空ぐらし私しゃ根っから 流れ鳥露地の灯りが ありさえすればそこをねぐらと 決めこんで渡る娘の 三味線仁義 たかが女の 芸人などと聞けばすまない 鉄火肌気分次第で 金銭ずくじゃ売らぬ唄でも 弾きもする男まさりの 三味線仁義 こんな糸でも 私にゃ生命伊達じゃ持たない バチ一つ軒場すずめの 心のうちは桧舞台を 踏むまでとかけた願いの 三味線仁義 人気の新着歌詞 瞼の母 – 二…

  • 母ありき – 二葉百合子

    母ありき 野菊の人よ帰らない 帰らない 心の人よ夕やけ小径(こみち)を 歩いたね一緒に童謡(うた)を 歌ったね「おかあさん おかあさん…」そっと呼んでもあゝ…故郷(ふるさと)の 風にちぎれる 母ありき 涙の人よ会いたくて 会いたくて 悲しい人よふたりで東京へ 行ったよね一緒に汽車に 乗ったよね「おかあさん おかあさん…」そっと呼んでもあゝ…故郷(ふるさと)の 風にちぎれる 母ありき 瞼の人よいつま…

  • 人生囃子 – 二葉百合子

    先に咲いたら 散るのも早い遅れ咲きには 明日がある出世双六 素人芝居幕を引くまで 分からない泣くも阿呆なら 笑うも阿呆どうせ阿呆なら賑やかに 人生囃子 惚れたはれたと 騒いでみてもしょせん色恋 はやり風邪熱が冷めても 惚(ほ)の字であれば恋は本物 脈がある泣くも阿呆なら 笑うも阿呆どうせ阿呆なら賑やかに 人生囃子 こんなご時世 なおさら泌みる人の情けの あたたかさ人にゃ掛けとけ 情けのツケは回り回…

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