丸山圭子

過ぎゆく季節に – 丸山圭子

悩みつかれて たたずむ海辺と
沖を走る カー・フェリー
暮れなずむ町が かすむように
さまざまにゆれて女心
出逢ったことを 今はくやんでみても
ひと夏だけの恋
忘れてたのに

知らず時はたってゆくけれど 待てないのは何故
恋はいっときの時間だけで 燃えてしまうから
ほろ苦く せつなく 甘い香りは
過ぎてしまった日々のぬくもり

昔 遊んだ 思い出の月日
暦 胸にきざみ
確かめるほど あんな野暮な
男だったと思えば はりさけるようで
素足が似合う ジュード
かけてくるような ココナツの笑えみ
眩しくゆれては

ひとり黙ってるとその間にも 夏は過ぎてゆく
ひとつの気持ちだって なぜ 半分にできないのだろう
手のひらをこぼれる
熱い砂の さめてしまった 秋の始まり

知らず時はたってゆくけれど 待てないのは何故
恋はいっときの時間だけで 燃えてしまうから
ほろ苦く せつなく 甘い香りは
過ぎてしまった日々のぬくもり

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