中西保志

待ちきれなくて – 中西保志

待ちきれなくて
幌を上げて 走った道
冷たいしぶきに 大声
ラジオと潮騒

古びたシャツと
バイト帰り 疲れた靴
それでも夢さえかなえば
誰もがうらやんでた

あの頃のように
ひたむきに 何を待とう
夏は行き 風に
窓ガラスを閉じたまま

待ちきれなくて
君の部屋へ急いだ道
小さな景色も 覚えてる
垣根の匂いさえも

あの頃のように
今 何を追いかけよう
街を出て ひとり
帰る場所ができたけど

思い出と言うより 心の近くで
いつだって 支えてくれる

あの頃のように
ひたむきに 戻れるはず
夏は行き 風は
窓ガラスをたたいてる

あの頃のように
今をただ 抱きしめよう
街を出て ひとり
帰る場所ができたから
逢える人ができたから

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