中村中

  • あいつはいつかのあなたかもしれない – 中村中

    道路で寝ていた あの酔っ払いを汚いモノを見るように観てたけどどこか似ている顔した そこのおまえはあいつを笑ってしまえるのか やっと声を挙げられた彼女の勇気をまた寄って集って嗤っていたけどたぶん一生消えない彼女の傷跡おまえは笑ってしまえるのか あいつはいつかのわたしかもしれないあいつはいつかのおまえかもしれない助けが来るのをずっと待っていたあいつはいつかのあなたかもしれない あの日電車で騒ぎを起こし…

  • 会いたいひと – 中村中

    君といると いつも楽しい 君はどう思ってたか 気になるけれど君のことを 見送った後で 今頃考えても 知る術はなし 次は何処に出掛けようか 次会う時 何を食べに行こうか約束ばかり 増えていくね 守れなくていいんだ 忙しいひと 疲れただろう グンナイ 少しは休みなよ君が元気じゃないと 僕もなんだか淋しい疲れただろう グンナイ 会いたくなったならいつでも呼んでくれ 夢の中で会おう 辛いことも 悲しいこと…

  • ワル – 中村中

    キレ易いあいつは わたしのともだちヤニ臭いあいつは わたしのともだち 眼付きが悪くて 言葉も悪いだけど心まで 悪いと限らない あいつたったひとりが わたしのともだちそれで生きて来られた あいつはともだち 傷だらけあいつは わたしのともだち訳ありのあいつは わたしのともだち 正直なあいつの 後ろで舌を出す本当のワル者を 誰も見ていない 錠剤(くすり)漬けあいつは わたしのともだち眠れないあいつは わ…

  • 予動 – 中村中

    楽器に触れたことある人は 知ってるんだよ 知ってるんだよ音が鳴る前に起きたこと 知ってるんだよ 知ってるんだよ 振り下ろす前に 振り上げて 突き刺す前に 引っ張って吐き出す前に 吸い込んで それが 予動というものさ 振り下ろす前に 振り上げて 突き刺す前に 引っ張って吐き出す前に 吸い込んで それが すべての前触れなんだよ 殴られたことがある人は 覚えてるんだよ 覚えてるんだよ殴られる前に起きたこ…

  • 僕らは半人前 – 中村中

    僕らは半人前 まともに生きられないのさ真っ直ぐ伸びた道 真っ直ぐ歩けないのさ何度も躓いて それ見て笑う奴もいる気づけば知っていた 痛みを知っていた 僕らは半人前 未熟で傷んだ果実さ少しでも汚れたら 店には並べないのさけれども知っている 傷物同士じゃなくちゃ触れない傷がある 歌えない歌がある 半人前が集まれば 静かな歌が聞こえ出すそれはとっても甘やかで 優しく響く歌 僕らは半人前 日陰で生きてきたの…

  • 飲みに行こうよ – 中村中

    真面目な奴ばっか どうして 嫌な思いするんだろうないい奴だとか呼ばれて 都合の、いい奴さいつでも空気読んで 我慢して偉いねって我慢させてる方は 気づかないよな 冬が来たら マイメン 出掛けようよ マイメンいつもの店 飲みに行こうよ 最近ゲームやってるか 一度躓いたら 詰みだなんて人生ゲームも厳しいな この頃は弱い奴で構わない 負けたわけじゃない まだ怠けてねえよな 毎日 戦いなんだ 春が来たら マ…

  • 柔軟 – 中村中

    閉じた心 誰かに 開けてほしいけど近頃みんなとても 疲れてるから自分で開かなきゃいけない 堅苦しい世の中 柔らかい自分でいたいきっと上手くいくさ 今日はダメでもそう思えるように 心ほぐそう 狭い部屋でも 寝転んで息を深く 吸い込んで 伸ばして 伸ばして 昨日の嫌なこと 吐き出そう伸ばして 伸ばして 元気が出て来たら今日はそれを 自分のために使おう 天井のシミ 数えると 色んな顔が浮かぶ大好きだった…

  • うれしい – 中村中

    出会いはいつも突然さ。振り返ったら、二足歩行の獣がいた。旅先で逢った。訳あり同士、惹かれ合ったね。魔法のような引力で。唇の形が似てゆくのを感じながらキッスしたひと時。空ろな瞳は、ここにいるのに、何処か居場所探してるみたいで。「私だったら、連れ出せるよ」。 君のその瞳が、一瞬でもほころぶなら、うれしい。君のその笑顔に、一瞬でも役立てたら、うれしい。 別れはいつも突然さ。振り返ったら、しょげた背中の仔…

  • 親と子 – 中村中

    何回言ったらわかるの 何回言ったらわかるの何回言ったらわかるの 何回言ったらわかるの お願いよ 気づいてよ お願いする しか出来ないのお願いよ 気づいてよ お願いする しか出来ないの 何回言ったらわかるの 何回言ったらわかるのねぇ 何回言ってもわからないの 何回言ったらわかるの お願いよ 気づいてよ あやまること しか出来ないのお願いよ 気づいてよ しんじること しか出来ないの 何回言ったらわかる…

  • 曲がり角 – 中村中

    一番古い記憶は 優しい海を泳いでたそれは母の中だった 海が満ちる頃だった入り口なのか 出口なのか光を求め 角を曲がった 幼稚園に上がる頃 母親に手を引かれて家と園の行き来だけ 限られていた世界紋白蝶は 迷子の誘い愛しい君と 角を曲がった 父親との思い出は あの日が多分最後で自動販売機の前で 百円玉貰ったオレンジジュースに 手が届かない私を横目に 角を曲がった 学び舎を飛び出せば 次の群れが手招いて…

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