中島敦(上村祐翔)

少年よ月下を疾走れ – 中島敦(上村祐翔)

血を流した皮膚組織は少し経てばもう元通りだ
引き攣れてる傷跡が「そんなこともあった」と云うぐらいだろ?

そう諭して…痛み誤魔化す度
看過できない衝動だけが渦巻いた

疾走れ 疾走れ 何処に向かうか
知らない 見えない だけど行かなきゃ
虚ろに空いた胸の隙間から
“生きたい”と声がする だから迷わず月下を疾走れ
淀んだ日々から、地を蹴って

ありふれてる感情だと笑い飛ばしても 嗚呼 消せずに居た
悲しい哉 僕はただ孤独という檻から脱け出せずに

期待して傷付いて目を閉じた
この次は…違う言葉また期待して

叫べ 叫べ 歪な声で
存在さえも否定されたって
希望持つのは止められなかった
寄り添って呉れたのは仄白い光で 叫べ …そう、聞こえた

何時の日か
“こんな自分でも必要だと誰か云って呉れるなら”

足掻け 足掻け 尽きぬ涙も
生きる者の証と思え
恐れるよりも何もしない侭 奪われる運命を止めろ

疾走れ 疾走れ 何処に向かうか
知らない 見えない だから行くのさ
虚ろに空いた胸を叩いては
“少年”と呼びかける 誰かに出逢うまで 疾走れ

…迫る未来が、そう云うから。

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