上田まり

恋をまとった女の子は – 上田まり

恋をまとった女の子は 誰に聞いたわけでなく
心を誰かのためにだけ 閉じたり 開いたりする

会いたい人に会うためだけ 生まれてきたからあなたを見つけた
解き放たれた鳥のように そしていつも会いにいける

くせになる感情をひとつ 胸にしまいこみながら
言葉を誰かのためにだけ 消したり飾ったりする

泣いたり笑ったりしながら 二人になるためあなたを選んだ
初めて呼吸したようだよ これも同じ一日なのに

恋をまとった女の子は 闘う気配感じて
力を誰かのためにだけ 添えたり探したりする

会いたい人に会うためだけ 生まれてきたからあなたを見つけた
壁にもたれた傘のように そしていつもそばにいられる

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