上原敏

流転 – 上原敏

男命を みすじの糸に
かけて三七(さんしち) 二十一(さいのめ)くずれ
浮世かるたの 浮世かるたの
浮沈み

どうせ一度は あの世とやらへ
落ちて流れて 行く身じゃないか
鳴くな夜明けの 鳴くな夜明けの
渡り鳥

意地は男よ 情は女子
ままになるなら 男を捨てて
俺も生きたや 俺も生きたや
恋のため

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鴛鴦道中 – 上原敏

堅気育ちも 重なる旅にいつかはずれて 無宿者知らぬ他国の たそがれ時は俺も泣きたい ことばかり染まぬはなしに 故郷をとんで娘ざかりを 茶屋ぐらし茶碗酒なら 負け

妻恋道中 – 上原敏

好いた女房に 三行り半を投げて長脇差 永の旅怨むまいぞえ 俺等のことはまたの浮世で 逢うまでは惚れていながら 惚れない素振りそれがやくざの 恋とやら二度と添うま

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