三澤秋

フォノトグラフの森 – 三澤秋

冷たい氷の木々たちが歌う森は
触れた先から はらはらと崩れていく
繊細な音 まるで雪のよう

胸の中満たすのは 柔らかな雨の音

広がる波紋のように
意識を溶かして
静かな静かな渦に
身を任せたら
あなたのかすかな声も
聞こえるだろうか

小さく震える 透明なその心に
触れた先から 耳の奥そっと届く
ささやかな声 まるで雪のよう

穏やかな沈黙に ただ耳を傾けた

ちらちら瞬く星の
吐息の音さえ
遠くへ遠くへ響く
空の真下で
あなたの声なき声も
すくえるだろうか

広がる波紋のように
意識を溶かして
静かな静かな渦に
身を任せたら
あなたのかすかな声も
聞こえるだろうか

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