三浦和人

  • ラストワルツ-最期に贈る言葉- – 三浦和人

    さあ もう 泣かないで笑顔を見せて生まれてきた ときのように一人で 逝くよ 思い出すのは初めて逢った あの日ぼくは二十歳 君は十九歳もう 昔のことだね 君に そっと くちづけしたら長い髪に さした薔薇が風に 吹かれてふるえてた…… 君に そっと くちづけしたら長い髪に さした薔薇が風に 吹かれてふるえてた…… さあ もう 泣かないで笑顔を見せてさいごに贈る 言葉は ひとつ君に 逢えて良かった 人気…

  • 悲しくて – 三浦和人

    薄く曇った硝子窓 コトコト揺らす風の便りひとり暮しの この部屋に 訪れた寒い季節ひと冬前は わたしの 躰あたためる あなたが居たけれど運命(さだめ)の悪戯(いたずら)か あなたは還らぬ人に 悲しくて 悲しくて身も心も やつるるほどに哀しさよりも人恋しさにあふれた涙も涸れ果てて生きてゆくには面影だけがあまりに優しすぎる 想い出だけに つつまれて 過ぎゆく日々は淋しすぎるいますぐ声を聞きたい もう一度…

  • あしたはいい日 – 三浦和人

    遥かな海を 旅する鳥は波間に浮かぶ小枝で 翼を休めると云(ゆ)う 生きてくことが 哀しくなる夜はあなたも泣いたらいい 子どものように 失(な)くしたものが 遠くできらめくとき憎んだことも 許したことも 眠りにつくよあしたはいい日 笑顔を思い出せたら小さいけれど 羽ばたく力(ちから) 生まれてくるよ やさしい風は 夜明けに吹いてくる果てない夢のつづき 壊さないよう 愛する人が 何度も手招(てまね)く…

  • シャボン玉 – 三浦和人

    黄昏 ため息 人の群れ地下鉄の駅へ急ぐ会いたくなったらここへ来てシャボン玉 飛ばそう 優しさも時々はすれちがい傷ついて別れてもちっぽけな出来事と笑う日が来るはずさ きっと 明日は誰かと会えるかなシャボン玉 飛ばそう 約束 裏切り 待ちぼうけくもりのち雨の心泣きたくなったらここへ来てシャボン玉 飛ばそう 人は皆何かをなくしながらそれぞれに生きてゆく夢やぶれ重ねた夜を越え朝がくる きっと 明日は何処ま…

  • たそがれ詩人 – 三浦和人

    始発電車が空を破り 朝を連れて来たよ線路づたいに 小石蹴って それで答え決める 別れの坂道を上りつめたら 愛の道標があった捨て去る事も優しさだよと北風が背中たたく AH- 黄昏までは風に吹かれあなたを想うAH- 黄昏る頃 言葉のない旅に出よう 歩道橋から見下ろす街 人の群れが急ぐ冬の枯れ木が指さす空 夢も呑まれそうさ 心の坂道を行ったり来り 幾度繰り返したのだろう見送る愛と飛び立つ愛とそれぞれの運…

  • 風 – 三浦和人

    飾りたてた 人ごみの中暮れ色の風に乗り心包み響き渡る人の笑い声 風 通りすごした過去をあおりたててゆく偽(つく)り笑い おどけて見せるただ流れすぎるままに 心開く事もあった偽(つく)り言葉と知らず人の心のうらはらさだけが暗く影残す 風 やさしく流れる中に立ちつくす ひとり心の中また甦える思い出さえ消せもせず 風 通りすごした過去をあおりたててゆく偽(つく)り笑い おどけて見せるただ流れすぎるままに…

  • 風の回廊 – 三浦和人

    締め切った窓を開け 風を誘い入れる灯りともる事ない 故郷の家 想い出たどる様に 忘れものを探せば古びたアルバム達 そっと眠ってた 分厚いページ モノクロの写真には母に抱かれた 幼子の僕 裏木戸を叩くように 通り抜ける北風すべてをいざなう様に 空へ翔けてく お帰りなさい その言葉の温もり大好きだった 子供の頃から 声 聞こえた気がして 振り向き探しても主 亡くした時計 刻む音だけ 風の回廊 あの空へ…

  • 気まぐれ – 三浦和人

    こうしてそっと針をのせて耳を澄ますと 懐かしのメロディーきのうの雪は 融けたのだろうか子供達が はしゃいでいる 気まぐれは雪の所為さ背中まるめた あの日々を気まぐれな雪の所為さまた思い出すなんて 忘れたはずの 想い出さえ気づいてみれば また同じくりかえし喫茶店(さてん)に流れてたあの唄を少しずつでも 忘れたい 気まぐれは雪の所為さ独りぼっちの この夜を気まぐれな雪の所為さ淋しい気持ちにさせる 気ま…

  • 夜の河 – 三浦和人

    冬枯れの街に吹く風が あなたの後れ毛とかす薬指に光るリングが 眩し過ぎて戯れに触れた肩 見つめ合う瞳にただ崩れ落ちる様に 影は重なり合う 心で綴る愛と 身体に刻み込む愛胸が張り裂けるほどに 心迷わせてどうせ二人は ひとつになれないのなら このまま流れゆく夜の河に とけてゆきたい 季節の移り変りは 時の流れをつくりあなたは悲しい物語 涙で描く離れない 離さない 心の中叫ぶけど言葉に出来なくて 呟いた…

  • きらめく風になろう – 三浦和人

    きらめく風になろう熱い想いをこの大空に かざして 光る海を渡る風 潮騒と溶け合う歓声に背中押され行く道は 人生に似ている 振り返れば 立ち止まり 泣き笑いを繰り返した日々でも輝くその為に 決して遅くはないさ勇気がそこにあれば きらめく風になろう熱い想いをこの大空に かざして遥かに遠い道を 気ままに行くよ夢を信じ 自分らしく 明日を紡ぐ その力は 挑み続ける 心の強ささ全て受け止め その後で 自分に…

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