三波春夫

  • 世界の国からこんにちは – 三波春夫

    こんにちは こんにちは 西のくにからこんにちは こんにちは 東のくにからこんにちは こんにちは 世界のひとがこんにちは こんにちは さくらの国で1970年の こんにちはこんにちは こんにちは 握手をしよう こんにちは こんにちは 月の宇宙へこんにちは こんにちは 地球をとび出すこんにちは こんにちは 世界の夢がこんにちは こんにちは みどりの丘で1970年の こんにちはこんにちは こんにちは 握手…

  • 長編歌謡浪曲 長谷川伸原作「瞼の母」より 瞼の母 – 三波春夫

    母の面影 瞼の裏に描きつゞけて 旅から旅へ昨日は東と 訊いたけど今日は西だと 風便り縞の合羽が 泪に濡れて母恋い番場の 忠太郎 母は俺らを どうして捨てた恨む心と 恋しい想い宿無し鴉の 見る夢は覚めて悲しい 幕切れさ生れ在所(こきょう)も 遥かに遠い母恋い番場の 忠太郎 「おかみさん、当って砕けろの心持で失礼な事をお尋ね申しますでござんすがおかみさん、若しやあっしぐらいの男の子を持った憶えはござん…

  • あゝ北前船 – 三波春夫

    男命の 北前船は宝運びの 心意気 心意気よ海が時化たと弱音を吐くな沖のかもめが笑うじゃないか風は追風 帆を捲き上げろ屋号染め抜くソレソレソレ 自慢船 春の海ゆく 北前船は歌が流れて 帆が揺れる 帆が揺れるよハイヤ節でも 越後へ来ればあの娘見染めて おさけに変わる信濃追分け 港で仕入れ江差 松前ソレソレソレ 蔵が建つ 冬の海ゆく 北前船は可愛い女子も 乗せられぬ 乗せられぬよお主ァ東か 儂ァ西廻り北…

  • 長編歌謡浪曲 勝海舟 – 三波春夫

    江戸で生れてああ長屋で育ち今じゃ幕府の総大将星の流れは皮肉なものさ月にうそぶく勝海舟の胸にゃ真っ赤な火が燃える 時代の流れと勢いは誰が止めても止まらない無心に遊ぶ子供らが手まり唄にも口ずさむ宮さん 宮さん お馬の前でヒラヒラするのは何じゃいなトコトンヤレトンヤレナあれは朝敵征伐せよとの錦の御旗じゃないかいな菊は栄えて葵は枯れる西にひずめの音がする 「近代日本の暁を告げる刻の鐘は、いんいんとして鳴り…

  • 長編歌謡浪曲 赤穂の妻 – 三波春夫

    仇を討つのか 討たぬのか責める世間の 噂が恐いここは山科 佇ずまい耐えて忍んで 赤穂の妻は祈る心で 月を見る 可愛い主税も 見納めか生きて此の世で 逢われぬ運命武士の妻なら 母ならば何んで泣きましょ 赤穂の妻は涙耐えて 別れゆく 「おりく身重のそなたに苦労をかけるのう。内蔵之助はそなたを妻に迎えた事が一生の裡で一番大きな倖せだった」 北は時雨て南は曇るはいた草鞋の緒が濡れる実家の但馬の豊岡へおりく…

  • 長編歌謡浪曲 豪商一代 紀伊国屋文左衛門 – 三波春夫

    惚れた仕事に 命をかけて散るも華だよ 男なら怒濤逆巻く 嵐の中を目指すは遙か 江戸の空花の文左の みかん船 肝の太さと 度胸の良さに勇み集まる 十二人力合せて 乗り出す船はこれも故郷の 人の為征くぞ夜明けの 和歌の浦 浜辺に送る妻や子が、別れを惜しんで呼ぶ声も風に悲しく千切れ飛ぶ、まして文左の新妻は、今年十九のいじらしさ、せめても一度もう一度、背伸びしながら手を振れど、雨と嵐にさえぎられ、かすむ良…

  • 長編歌謡浪曲 戦国塩物語 – 三波春夫

    ぶどう畠の葉も枯れて秋風そゞろ身に沁みる甲府盆地の昏れにたなびく霧は戦国の夢を包んで四百年 都は遠く海も無いこの山国のくにたみを愛しつゞけた信玄は山の姿に何想う類な稀なき英雄がその横顔にふと見せた悲しき影を誰が知ろ 「何んと越後の謙信が塩を送ってくれたと申すのか!!うむうむ勇将鬼小島弥太郎を使いとして上杉殿があの塩を………。駿河の今川 相模の北條に 塩を断たれ甲斐と信濃の領民の苦しみ難儀を見るにつ…

  • 長編歌謡浪曲 平家物語より 壇の浦決戦 – 三波春夫

    さても平知盛卿は味方集めて最後の軍議見せてくれよう平家の意地をわれに錦の御旗がござる 汐の流れは見落とすなかれ時を逃して戦さは勝てぬ命惜しむな名をこそ惜しめ壇の浦こそ墓所と決めよ 源氏兵船八百余艘屋島沖合はるかに進む片や平家は彦島出でて次第次第に近づく戦機 時に寿永は四年の弥生二十四日の汐風強く赤と白との旗翻える海の碧さよ波立ち騒ぐ平家船数六百余り汐の流れに勢い込んで源氏攻め立て怒涛の如くあわや本…

  • 長編歌謡浪曲 天竜二俣城 – 三波春夫

    文亀三年即ち西暦一五〇三年の事、二俣昌長が築城したこの城はところどころ崩れ落ちているとはいえ、その石の色、城の型、さすが奥州二本松城につぐ日本最古の城であると云うにふさわしく、歴史の息吹きはそくそくとして訪れる人に何かを語りかけている。天主閣のあった場所に立ち、西北を望めば天竜川は眼下に広々と豊かに流れ、長がとそびえる鳥羽山、赤石山系を南北に見る。南の山裾は浜松へ通ずる街道か。紺碧の空、白雲東方へ…

  • 長編歌謡浪曲 赤穂城の内蔵之助 – 三波春夫

    春の風が 乱れて吹いて雲が飛ぶ飛ぶ 赤穂城殿の形見の かずかずに心の奥で 問いかけてしみじみ泣いた 内蔵之助 「殿、御無念で御座りましたろう。殿が家督(かとく)をお継ぎ遊したは御年九ツの時、その頃内蔵之助も家老の重職を承わった、私は十九で御座りました、それより数えて二十何年勿体なき事ながら吾が弟とも、わが子とも思い参らせて、お育て申しました。殿、内蔵之助が江戸に居りましたなら、貴方様の口惜しさもお…

Back to top button