三月のパンタシア

街路、ライトの灯りだけ – 三月のパンタシア

悲しいことなんて 思い出さないように 蓋をする
優しい言葉って 思い出せないし いらないよ
連れないことばっか言わないでよ
一つは返事して
街灯の暗さじゃわかんないからさ
口じゃ言えないからさ

ねぇ 笑った振りをしてって
ねぇ 怒った振りをして
ねぇ どうしても裸眼じゃ上手く見えないから

君と夜を縫っていく
夜の街を縫っていく
暗い街路 ライトの灯りだけ
足音を刺した薄い夜
いつも君を待っていた
意味がそこで立っていた
下手な泣き真似をしている君が見える

寂しい夜なんて 思い出さないように 蓋をする
優しい嘘なんて すぐ消えちゃうものを出さないで
連れないことばっか言わないでよ
少しは側にいて
悲しさは言葉じゃわかんないからさ
顔が見えないからさ

ねぇ 歩いた跡を見てって
ねぇ 凄く遠くに来たんだ
どうしても裸眼のままじゃ見えないんだよ

いつか君を待っていた
二人夜を待っていた
逃げるように ライトの灯りだけ
君の手の温度 深い夜
今も夜を待っていた
意味もなく笑っていた
下手な口笛をしている君が見える

ねぇ 笑った振りをしてって
ねぇ 怒った振りをして
ねぇ どうしても滲んだ声が消せないから

君がただ笑っている
夜の街を縫っていく
暗い街路 ライトの灯りだけ
足音を刺した薄い夜
いつも君を待っていた
意味がそこで立っていた
下手な泣き真似をしている君が

君が見える

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