三上寛

華麗なる絶望 – 三上寛

ある日の街角にはどんな意味もない
ある日の午後にはどんな理由もない
吸いかけのタバコも
ほっておけば消えるように
そいつは始めから決っていた事なのサ

お前は今腐りかけている
自分でそれがわかるだろう
お前が見たものはみんな
お前を失くすためにある
お前が触ったものはみんな
お前を忘れるためにある

だから今のうちに赤いバラを
一輪胸にかざり踊り狂えばいいサ
赤い夕日に涙を流し
恋の痛手に傷ついても
そいつは誰かのいたずらだったんだ
そいつは何かのまちがいだったんだ

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最後の最後の最後のサンバ – 三上寛

最後の最後の最後まで乾かないで乾かないで欲しいものは女子大生の洗濯物と心最後の最後の最後まで切れないで切れないで欲しいものはパンツのヒモとあの娘との絆最後の最後

赤い馬 – 三上寛

ここがいつから海だったかは知らない赤い馬が泳いでいる足もとの雲は鳥になり飛び色は消えて形だけが落ちて行く腕が伸びる地平線を掴んでいるのは私だ体は遠くで浮かんでい

なんてひどい唄なんだ – 三上寛

風はデタラメに吹いていた乾いたサルマタが青空にはためいてカツ丼はさらにさらに重く運ばれてきたああ ああ ああなんてみっともないなんて訳のわからない夕暮れなんだあ

密漁の夜 – 三上寛

君は窓の中いつのまにかコックリ コックリ眠ってしまったみたいぼくは窓の外降りしきる雪の中ひとりかけようとズボンをぬいているここ吹き嵐れるオホーツクの海を前にして

BANG! – 三上寛

右手に挙銃左手にギター負けたとみせかけてから逃げ逃げてからふり返って後ろから バーン恐ろしさのあまりにたれ流す犬のようにはいずりまわって バーンごまかし笑いで 

逢えてよかった – 三上寛

久しぶりに聞えるなつかしいあの歌が君とはなれ一年余り遠くへ行ったものさ帰ってきたよ聞えるなつかしいあの歌がなけてくるよ飲み明そう朝がくるまでいつも いつもこれで

このレコードを私に下さい – 三上寛

燃えてる街をくぐりぬけて正月の八百屋から盗んできた血まみれのリンゴを一つ私に下さいそのしぼんだ種を宿せるかもしれないからそのしぼんだ種をかじりとれるかもしれない

せりふ – 三上寛

別れたんだってな聞いたよきのう久しぶりに鳥和へ行ったらオバさんが言ってたよ子供は向こうが引き取るって話じゃないかもう歩ける様になったんじゃねェのか大変だなあこれ

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