三上寛

最後の最後の最後のサンバ – 三上寛

最後の最後の最後まで
乾かないで乾かないで
欲しいものは
女子大生の洗濯物と

最後の最後の最後まで
切れないで切れないで
欲しいものは
パンツのヒモとあの娘との

最後の最後の最後まで
消えないで消えないで
欲しいものは
ストリップ劇場のスポットライトと

最後の最後の最後まで
止まらないで止まらないで
欲しいものは
どうにもとまらない山本リンダと
腕時計

最後の最後の最後まで
言わないで言わないで
欲しいものは
推理小説の犯人と
さようなら

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赤い馬 – 三上寛

ここがいつから海だったかは知らない赤い馬が泳いでいる足もとの雲は鳥になり飛び色は消えて形だけが落ちて行く腕が伸びる地平線を掴んでいるのは私だ体は遠くで浮かんでい

なんてひどい唄なんだ – 三上寛

風はデタラメに吹いていた乾いたサルマタが青空にはためいてカツ丼はさらにさらに重く運ばれてきたああ ああ ああなんてみっともないなんて訳のわからない夕暮れなんだあ

密漁の夜 – 三上寛

君は窓の中いつのまにかコックリ コックリ眠ってしまったみたいぼくは窓の外降りしきる雪の中ひとりかけようとズボンをぬいているここ吹き嵐れるオホーツクの海を前にして

BANG! – 三上寛

右手に挙銃左手にギター負けたとみせかけてから逃げ逃げてからふり返って後ろから バーン恐ろしさのあまりにたれ流す犬のようにはいずりまわって バーンごまかし笑いで 

華麗なる絶望 – 三上寛

ある日の街角にはどんな意味もないある日の午後にはどんな理由もない吸いかけのタバコもほっておけば消えるようにそいつは始めから決っていた事なのサお前は今腐りかけてい

逢えてよかった – 三上寛

久しぶりに聞えるなつかしいあの歌が君とはなれ一年余り遠くへ行ったものさ帰ってきたよ聞えるなつかしいあの歌がなけてくるよ飲み明そう朝がくるまでいつも いつもこれで

このレコードを私に下さい – 三上寛

燃えてる街をくぐりぬけて正月の八百屋から盗んできた血まみれのリンゴを一つ私に下さいそのしぼんだ種を宿せるかもしれないからそのしぼんだ種をかじりとれるかもしれない

せりふ – 三上寛

別れたんだってな聞いたよきのう久しぶりに鳥和へ行ったらオバさんが言ってたよ子供は向こうが引き取るって話じゃないかもう歩ける様になったんじゃねェのか大変だなあこれ

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