ベルマインツ

ズームアウト – ベルマインツ

折れた翼を畳んで
旅に出て 久しくなるなあ
見栄ばかり張っていた頃を
なつかしいと思えるくらいには

木々が見下ろす角度で  僕のこと噂している
顔を出すまばらの空が 揶揄うような微笑を浮かべた

埋まらない鼓動 必要な休息
裏返しの羽をなおして
ただ上昇 少しでも高く

深い森の合間から 見上げた世界には
凛々しくまっすぐ 飛ぶ鳥がいた
つらい冬もきっと しんと乗り越えていたんだな
君にだけ見える景色があるんだろう

夜半の特異な高揚
だれが収められよう
いつもなら口をつぐむことも
この夜なら任せてもいい

広大な平野より 旋回して浮かび上がるそれは
人々の視線を想いのまま 静かに引き上げるのだ

ひらけた視界の空を飛んだ鳥は意外にも
フラつきながら 先を目指した
きっと数えきれないほど 憧れを抱いた
すべての音が 報われるように

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2023 – ベルマインツ

息をするのもやっとで わるい目覚めを迎えた今日も変わらず微笑む 君を見上げて 目を瞑った2023 くだらない会話もまた尊いものとわかる日が来れば新しい部屋で始ま

雨 – ベルマインツ

屋根を打つ 止まらない豪雨愛の鼓動 流し去るように白く乱れゆく か細い滝が濁した小さな庭をただ眺めてる遠くで鳴るサイレン濡れて滲んだ足跡を辿る ミラージュ確かな

微熱 – ベルマインツ

積み上げた空の箱に ため息をひとつついて変わらない僕を愛す人をよそ目に泣いたのだ季節外れの寝具 徐ろに横たわれば少しの間は何の姿にもなれないな午前一時に見始めた

逃避行 – ベルマインツ

逃避行の先で死ぬまで生きようか想定外の事態に狼狽えたり仄暗い帰路でつまづいて すり傷を作ったり小さな失敗でも 時と場合によれば逆らえないほど 重くのしかかるけれ

ハイライトシーン – ベルマインツ

波の向こう 蹴り上げて跳んだ君とゆこう この眼で見たいよ昨夜見た映画を もう一度見ていた忘れてしまったまままた裸足の夏を迎える先を急ぐ 彼には見えない僕とゆこう

時代 – ベルマインツ

時代と時代のちょうど隙間で 新しい夢ができました長い梅雨の入り口 ちょうど手前辺りでなんだかよくわからなくなったようだ様変わりした僕らの庭でひとりきり行方もなく

喝采 – ベルマインツ

素晴らしい夜に 止めどない拍手を露を乗せた葉っぱがはね返すひかり雲間から月が顔を出した同じ釜の飯を食うでもなく過ごしてきた人と同じものをうまいと言えるうそかまこ

コラージュ – ベルマインツ

翼が生えたぼくたちの形見の羽根さえ遥か彼方気づかぬうちに年老いて濁った眼では見えそうもないいつかのピーターパン追いかけてみたら鳥のように また小さなタンク機関車

装丁 – ベルマインツ

ていねいな暮らし 細やかな装丁手に取るほかないじゃない一つ一つ めくるページには向かうところがあるものよ然るべき 別れなのだ残された黄昏をあげる

魚 – ベルマインツ

碧い その水平の中で鱗 芽吹かせ冷えた 底の底まで決して 泡を吐かずにコンクリートに気を取られて戻ろうとする あの日の僕にすがりそうになるそれでも 飛び込むいび

浮かれてた – ベルマインツ

はっとした拍子に思わず手を滑らせる大丈夫と見過ごして気が付けばただ浮かれてた飛び散った欠片をひとり集めていつのまにか切れた指の傷を舐める遅れてくる孤独と痛みが「

さざめき – ベルマインツ

騒々しい虫の声と薄明かりの帰路肩を透かす風は 掬うように塵舞い上げ積もり積もる時の中で草の薫り 煌めく粒を君の見てる前で くすねて旅を図る知らずの庭で 眠れる星

ミラーダンス – ベルマインツ

すべてを見透かしたような 止り木からの微笑長い眠りから醒めて ゆめうつつの調べ凍える身なり つれない惑星 途方に暮れる不意の始まり ひとりぼっちの旅夢の中で見た

Call – ベルマインツ

帰り支度の最中にひとことだけ言い残して 僕の返事なんて聞かずに遠ざかっていく足音と君のなまえ呼ぶ声窓枠が肌にかける日差しのボーダーこのまま家に帰るにも 何かしな

摩天楼 – ベルマインツ

いいこと聞いた そのときすぐに伝えたい人が 頭に浮かんだ雲に隠れて いまは見えないけれど高く高い摩天楼 確かにあると知ったこの街の隅々まで 吹き渡る風を頼りに進

Foolish – with SUKISHA – ベルマインツ

初めて出会ったのはガラス張りの連絡橋草木も人も振り回す波打つ風に見惚れてたひさびさ選んだネクターを振らずに開けたね いつかみたいしまった!なんて言うけれどもしや

風のゆく先 – with 鈴木迅, 井上花月 from Laura day romance – ベルマインツ

夜に混じるさみしさの予感不意打ち流れる雨粒もいつもどおり街が目覚める頃に帰ります与えてばかりの君はいま眠りに落ちて真夏の夜にくちなしは香りあの日を思い出さないで

街のテーマ – ベルマインツ

今日は街へ出るから靴下ひとつで頭を抱えてこれ以上ないくらいの支度をしたってすり抜けてくるトラブル大抵のロマンなんていつか誰かに教わって知らず知らずのうちに辿る空

ゆえに希望など – ベルマインツ

片手で覆えるほどの小さな拳にやられた!痛くもかゆくもなくてむしろ僕を癒やす一撃まだまだ先の事を思い浮かべて にやりもれなく不確かな未来ゆえに希望など背負ってくの

笑ってほしいよ – ベルマインツ

絶え間なく続く日々すり減らした表情見せる君に何ができる?分からない、だから考えてみるテーブルが埋まっていく焼きあがるピッツァ 窓に映る二人変わらぬ君の顔時間だけ

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