ヘクとパスカル

引っ越し – ヘクとパスカル

まだ
風は春の名残り
紫陽花が 咲く前に
離れたくないけど

あぁ 夢に夢中で
夕陽が沈むことも
忘れていた
あんなに綺麗な時が
もう いつかのこと

ワンピースの花模様
あの夏の においがする
少し大人になれたかな
この街で

さよなら言わず
そっと消える
綺麗なまま 夢と思って
ありがとうって もっと
うまく言えたら
よかったね
でも 季節は変わってく

もう 気付かないふりも
少しはうまくなった
強がりも 疲れたし

ふと目醒める朝
しあわせは ここにはなくて
振り返ると
置いていかれそうだから
ぐっと笑ってみる

環状線の車の音が
今日は やさしくて
広くなった 空の部屋に
涙が出る

さよなら言わず
そっと消える
綺麗なまま 夢と思って
ありがとうって もっと
うまく言えたなら

荷物をまとめて
鍵を置いたら
ほら 季節が変わってく

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