ヒトリエ

tat – ヒトリエ

首筋に咲く花に意味などないとあなた笑った
それをただ、ぼんやりと眺め綺麗だと思う僕だった
こびり付く夜のシミひとつふたつこそげ取る間
本の音をもやつかす為の煙草を丁度切らした

誰かの為に伸ばした黒髪を
垂らせば釣れそうな魚のよう

つまらない漫画の話
つまらない漫画の話
いつぞやに描き覚えのあるかのよな話
つまらない漫画の話
など言い訳がましいくだ巻き
それならば踊り続ける理由にもなるし
明くる日もくる日もくるくるい咲く
覚めない夢の枕に

首筋じゃ飽き足らず意味などない花は蔓を伸ばし
躊躇いも揺蕩いもそこには何にも無いように見えた
僕はただ足並みを揃えるような素振りを今日も
見せるだけ見せた後
くたびれ儲けな欠伸をかいた

誰かの為に伸ばした黒髪が
垂らされた時はきっと、そうだな…
そうじゃないでしょう

つまらない漫画の話
つまらない漫画の話
いつぞやに描き覚えのあるかのよな話
つまらない漫画の話
誰に読まれるでもない話
そう思えばいつかどこかで終わりが来るし

誰かの創作物の様なあなた
あまりにもいびつな筋書き
退屈の片隅に咲く花の
名前を僕は知らぬまま

つまらない漫画の話
つまらない漫画の話
いつぞやに描き覚えのあるかのよな話
つまらない漫画の話
これはつまらない漫画の話
いつぞやのすれ違いのような作り話
はまらないパズルの形
浮き彫りになる度、虚しい
強かな下心はなし崩しのままに
おぼろげな事のあらまし
泡沫にあさきゆめみし
恨みつらみすらいつか見た霞か雲か

明くる日も
釣り合わない想いならまたひとつ
紙と筆を捌け口にしよう
誰の目にも留まることのないような
月日は丁度馴染みがある
来る日もくるくるい咲く
覚めない夢の枕に
来る日もくるくるい咲く
覚めない夢の枕に
覚めない夢に咲く花

首筋に咲く花に意味など無いわけないと思うが

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