ハルカトミユキ

青い夜更け – ハルカトミユキ

お前がささした空は黒く見えた コンクリートの上歩く靴の音
お前がささした白くてまぶしいガードレイルが傾いている
誰も知らないまま、誰も知らないまま、太陽は死んだ 太陽は死んだ
誰も知らないまま、誰も知らないまま、冷蔵庫の中 太陽は死んだ

ぐらりぐらり心臓を揺らす 花瓶の花が静かに腐る
まだ私は息を殺して そこだけ青く光った夜

ラララ声を聞かせて
ラララ話をして

あの日の出来事の本当の意味を知り あれから少し時が流れただけ
笑っているだけじゃいけない事を知り あれから少し大人になっただけ

ごろりごろり月が転がる グラスの水が泡を立てる
また私は叫んでいた 初めて怖いと思った夜

ラララ声を聞かせて
ラララ話をして

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絶望ごっこ – ハルカトミユキ

どこかで聞いたような美しく薄っぺらい言葉を並べて陶酔してる 気持ちいいだろう。絶望ごっこしてる君と、それに憧れちゃった僕と、どちらもおんなじ匂いがしている。何一

プラスチック・メトロ – ハルカトミユキ

数字と矢印と機械と沈黙の地下道を行く同じところをぐるぐる回る男の横を通り過ぎ口の中で異物を転がすプラスチックをしゃぶり続けるすれ違った女は壊れていた化学物質の花

MONDAY – ハルカトミユキ

君みたいな人が世界中どこにも世界中どこを探してもいなくなればいい電車が止まってるその隙にここからこんな嫌なところからいなくなるよわあわあと泣いている大人なのに恥

アパート – ハルカトミユキ

僕の部屋には孤独があるし君の部屋には寂しさがある2人でいようご飯を食べよう全て忘れてしまえばいいよ怒っていいなんて泣いてもいいなんて誰も教えてくれなかったじゃな

Vanilla – ハルカトミユキ

間違っていた答えは間違ったままでいつか普通の顔してまた次の春がくる数え切れないほど失くしたけれど本当に欲しいものはただ一つだけだった死んだように冷たいキッチンの

ドライアイス – ハルカトミユキ

僕らはいつでも少しの間違いで蝕まれてゆく日々をどうすることもできずにいた人より少しだけ運が悪いみたいだから仕方がないねって君はずぶ濡れで笑った薄いまぶたに口づけ

ナイフ – ハルカトミユキ

穏やかな昼間の差し込んだ日差しに頭の片隅で憎しみばかり育つ隙だらけの体 浮かんでくる言葉できるなら全てを笑って見送りたい何度も手を伸ばしたナイフをしまって代わり

長い待ち合わせ – ハルカトミユキ

それじゃあね。あそこの角を曲がってすぐのとこにいるから。詰めすぎた重い鞄を今更少し後悔してるどうしても見せたい本と言いたいことが沢山あって約束の時間がきてもなぜ

シアノタイプ – ハルカトミユキ

朝方の青白い部屋になくしたものだけ浮かんでる体の中の広い場所が空気で満ちて苦しくなる心から人を愛せるなら隙間は埋まる気がしていたもしかしてそれが君ならば努力した

伝言ゲーム – ハルカトミユキ

みんなが買ってるあの本だけはとりあえず買ったようん、おもしろかったよとか言って本当はよくわからなかったけどあの人がおもしろいって言うんだから間違いないだろ協調性

振り出しに戻る – ハルカトミユキ

群衆という幻想大衆という幽霊患った僕マスクを外せない疑って徘徊ワンルームで遭難彷徨って君に遭遇一マス進むお前が吐いた言葉が噛んだガムみたいにいつまでも取れないか

Hate you – ハルカトミユキ

Hate you 君が嫌いだって昨日と言ってることが違うHate you 君が嫌い何でも解ったようなフリをしていることHate you 君が嫌いだってあの日の約

mosaic – ハルカトミユキ

正義は勝つとか言っちゃってる自分の声でイっちゃってる中が見えない入り口へ誘う。愛が救うとか言っちゃってる恥ずかし気もなくやっちゃってる画面の中の壊れた顔につられ

マネキン – ハルカトミユキ

被験者はただ演じ続けるやがて中から食い尽くすまで燻るほどに大きくなって弾ける時を待っていた引きずり出して飛び散った赤や緑のハラワタマネキンみたいな顔を塗りつぶす

消しゴム – ハルカトミユキ

一番嫌いだったものにもうすぐなりそうな気がしている僕は僕を消しゴムで消し去りたい書き殴っても書き殴っても誰も何も言わない寂しいと言いかけて何度もやめた声を殺して

385 – ハルカトミユキ

つまらないなこんなとこつまらないなお前なんかもう明日の予報はいらないんだよいい子ちゃんたちのマネして歩いてみたの僕は自分に裏切られる氷が溶けて薄くなったジュース

赤くぬれ – ハルカトミユキ

知らないうちに処刑が済んで街はお祭り騒ぎダンスをしよう西のかなたが真っ赤に染まり鉄の匂いが流れたらダンスをしようクレヨンを口紅にして少女は楽しそうに踊る幼心にや

かたくてやわらかい – ハルカトミユキ

また騒ぎだした胸の奥に手を伸ばした (鍵を開ける)そっとドアを引いてさらけ出した心のひだらんらんらんと歌っていたありふれた夢のよう生まれない何かを待っていた君と

その日がきたら – ハルカトミユキ

ねえ、君は知ってる?世界はもうすぐに終わるってこと。でも僕は知ってる。世界なんてとっくに終わってるんだ。ねえ、信じてみてよ無くすものなんてもうないだろう。ああ、

感情七号線 – ハルカトミユキ

負け癖ばかりが 染みついてるから負けてる方がずっと楽だと 記憶をしまいこむ大切にしてた宝物はどこだい?早すぎた未来に尻餅をついて 声を走らせる夢って言葉は残酷な

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