ハルカトミユキ

二十歳の僕らは澄みきっていた – ハルカトミユキ

新しい季節 過ぎ去って
見慣れていたサンプラザも遠く
ああ 君と中央線、過去に変わった
レンタルのパンクロックには
魔法がかかってたはずなのに
ああ 夜と環状線、僕をせかした

立ち読みした小説の中
ださいセリフをお守りにして

ユラユラゆれた時のはざまで
二十歳の僕らは澄みきっていた
寝っころがって夢をなぞった
怒りと若さのやり場探して

君と歩いた線路の上で
煙草ふかして笑った
何もなくってもこわくなかった
37度の微熱がいつか
冷めてくことがこわかったんだ

変わらない景色 見送って
見飽きていたライブハウスの中
ああ 君は歌うことやめると言った
池袋で日々はもつれて
「ぼくたちの失敗」を聴いてた
ああ 長い自由時間 終わる気がした

他愛なく君と話した
悪口だけが希望だったよ

イライラしてたフラフラしてた
普通の僕らが愛おしくって
絶望なんて当たり前だと
昔の誰かは歌ってくれた

忘れることも壊れることも
うまくできない僕らは
謝りたくて殴られたくて
それでもいいよ、と許されたくて

他愛なく君と話した
悪口だけが希望だったよ
希望だったよ

ユラユラゆれた時のはざまで
二十歳の僕らは澄みきっていた
寝っころがって夢をなぞった
怒りと若さのやり場探して

忘れることも壊れることも
うまくできない僕らは
謝りたくて殴られたくて
それでもいいよ、と許されたくて
正気のままで愛されたくて

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