うだるような暑さも
五月蝿い蝉の声も
気がついたら 終わっていた
帰宅ラッシュ
知らない誰かの
ケラケラ笑う声が
耳障りだ 自分勝手さ
放っておいてよ
アイツが また選ばれて
期待した自分に笑えてくる
そうやって 僕らの毎日は
意味もなく続く
少しだけズレる
そんなんで 何がしたいなんて
声に出してみるのも
怖くて口ごもる
踏切の音
買い忘れた牛乳を
片手にただ 電車を待つ
誰も彼も
いてもいなくても 困らないバイト先
サボっちゃうよ、辞めちまうよ
何が変わる?
話を聞いて欲しくて
誰かに褒められたくて
でもひとりなんだ
どうせ最後の
僕らは
うだるような暑さも
五月蝿い蝉も消えた
日が暮れるのも 早くなったな
目を細める
踏切の音
電車が風を集めた
通り過ぎていく
これからの事も
そうやって 僕らの毎日は
意味もなく続く
少しだけ戯れる
昨夜 読んだ本の続き
面白くなってきたんだ
ほんの少し
遮断機が上がる
街灯も灯る
僕はまた歩き出す
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