トーマ

サンセットバスストップ – トーマ

半ば陽も落ちた頃 喧騒はかすか赤らんで
古い歌と煤けた匂いが切なくなって
イヤホンを外してすぐ 定刻にバスが停まって
いつも通り一番後ろの座席に腰下ろす

目を奪った街並みが僕のものだったら
焼けるような夕暮れなんかにしないだろう
命の果てを知った鮮やかさなんて
すぐ、怖い闇夜に盗まれる

ねぇサンセットバスは何処へ向かって
何処で終わるだろうって
まだ薄いライトが道を照らすけど
帰れなくてもいいかなって。
サンセットバスは坂を上ってお別れだね
「世界が終わるみたいだよ」って
子供が云う

幾度も乗せては降ろす それぞれに生活があって
飾り気のない心を委ねる 帰るべき場所がある

まだ仄か誰かの体温がシートに残され
きっとこの夕陽を眺めてたでしょう
僕だけのものになるはずないって
わかってるけど、なぜ溜息は膝に落ちてゆく?

サンセットバスは僕を攫って
何処へ連れてくのって
“とまりますボタン”のプラネタリウムが
帰路に舞う夜光虫みたいで
サンセットバスはひとりきりでお別れだね
みんな帰って寂しくないの?

食卓かこむ幸福と 窓から漏れる灯と
深い色のカーテンが夜を告げる
そんな当たり前を壊してほしい
次の幸せ ありつく僕は
なんて我儘だ

ねえサンセットバスは何処へ向かって
何処で終わるだろうって
陰るアスファルトから伸びる街灯が
染める道を帰ろうか
サンセットバスは今夜も眠って夢を見るの
終わる、またとない今日のこと
明日のこと

人気の新着歌詞

心臓 – トーマ

汚れた命を許してほしい神様の愛から剥がれ始めてこんな機械みたいな声と心が遠くにいるあなたに届きますように感情も愛情もみんな壊れた崖から落ちるような夜があったこと

ヤンキーボーイ・ヤンキーガール – トーマ

きっと未来は報われないバルブ、蒸気、バット、アンダーグラウンド牽制食らった白兵戦だって声は飲み込まれたきっと世界に望みはない大人達の凝った理想純粋愚直な拳一つで

アザレアの亡霊 – トーマ

そう気高く濁した廃都市みたいなこの鉄塔を仰いだ街が ボク自身だった潜める墓場と 負け犬ベンデッタその閑散な姿に大停電が降った味気ないくらい価値もない舞台きっと愛

クジラ病棟の或る前夜 – トーマ

「ねえ、最後に話をしよう」灰色の管、繋がった君の口元「そうだ、少し頼りないような、君の下手な歌、好きだったよ」煤けたカーテンに囲われ、夜中の秘密みたい。機械に飲

未来少年大戦争 – トーマ

彩るセピア 手を伸ばした騒ぐラジオノイズのような毎日も満たされないのなら今を生きる問いも無価値だ、冗談じゃない慣れた理不尽 今日もきっと空に撒き散らされた爆弾み

オレンジ – トーマ

君のいる世界で笑ったこと、君の見る未来を恨んだこと、君の声、温もり、態度、愛のすべてが…海街、赤錆びた線路沿い二人、「幸せだ」って嘘ついてくしゃくしゃに笑う顔、

廃景に鉄塔、「千鶴」は田園にて待つ。 – トーマ

どこかくすんだ九月の日枯れだす大気は季節を掻き毟った母胎の森はいつもより騒ぎ立てていた教室の水槽が消え幾千の魚が海岸に打ち上がった不吉にも僕は自転車でカラスを轢

九龍イドラ – トーマ

違法建築 不恰好雲間を超え生える階上密売の砦に発砲黒眼帯巻いた骸骨遺産相続 意図的な殺傷老婆小屋に迫る埋葬東洋に巣食う魔性の塔神降ろし儀式 密教新興宗教音を立て

魔法少女幸福論 – トーマ

いつだって一人でマルベリカ大概ひと振り 退屈な奇跡だ助けのキッカケも 悪戯も何だって叶うマギスペリカ地味だって避けられソリタリカどうして隠さなきゃって悲惨なオキ

潜水艦トロイメライ – トーマ

深度、段違いに潜りきった地図にない底にコーデュロイの海月、無色透明の寄生魚気体バルーン纏った潜水艦、進めサーチライト照らせ照らせ 岩窟の深奥層昼も夜も鉄の中の闇

リベラバビロン – トーマ

切り立つ繁華街 低俗な美徳簡素な未来像に原子力マーク「病気だ、狂気だ」騒ぎ立てる雑踏不都合纏め洗いざらい麻酔権力者貪る 根刮ぎ奪ってく街娼に名誉に硬貨に喰らい毎

envycat blackout – トーマ

旧ネオン街三番通り 路地裏でその残酷で純粋な傲慢色猫のネイル媚び売った美貌で約束縛って「もう用無しだこんな未来」底尽きてバイバイ希望なんかないって、災難だ運命を

Back to top button