シズクノメ

パッと咲いて – シズクノメ

砂嵐が息をしづらくする
砂漠の真ん中でただ1人歩いていた
生まれてきた意味を教えてくれよ
それが知りたいから君を探しているんだろう

いつかもしもあの鳥のように
自由に飛んで行けるのならば
空を駆けて君を探すよ
阿呆みたいだろう 笑ってくれ

どうか割り切れない想いを
どうか断ち切れない望みを願うよ

パッと咲いた時にはそばにいたいから
待っていてくれないかな
散ってゆく未来は避けられないなら
花びらを風に乗せて

どこに向かえばいいのか教えてくれよ
目印は1つも無い 方角も分からない
残った水はあと一滴だけ
涙も惜しむほど渇きに慣れてしまった

いつかもしもあの風のように
縛られず生きてゆけたならば
雲を運び雨を降らすよ
馬鹿みたいだろう 流してくれ

どうか言い切れない弱さも
どうか捨て切れない甘さも背負って

パッと咲いて散るのが君の望みなら
せめてそのひとひらを
ほんの少しでいい 砂に還るとき
この胸に芽を残して

持ち合わせぬ絶対的感覚を欲しがり続けた
辿りつけぬ最終目的地を推測し歩いた

ただ君を捜していた
ひたすらに探していた
いつかきっとどこかで会えると信じて
嗚呼 枯れてしまう前に
嗚呼 散ってしまう前に
確かめときたいのさ その花の名前を

どうか今だけはこのまま
どうか消えないで欲しいと願うよ

パッと咲いた時にはそばにいたいから
待っていてくれないかな
散ってゆく未来は避けられないとしても
もっと もっと もっと

パッと咲いて散るのが君の望みなら
せめてそのひとひらを
ほんの少しでいい 砂に還るとき
この胸に芽を残して

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