粉々になった心の破片で、足の踏み場もない部屋
「片付けくらいやりなよ」って
君なら叱ってくれたかな
狭い部屋で交わしあった、呼吸の暖かみを求めて
一度味をしめてしまえば、死ぬまで忘れられないや
こんなにも僕は、寂しさに弱いのなら
初めから一人でいればよかったなぁ
君が遠くへ越していってから
ぽっかりと穴の空いた生活
まるで君がこちらを覗く窓みたいだ
温みが残る僕の続きを、笑って眺めていて
粉々になった心の破片でついた傷が痛むけど
この痛みを失ってしまえば、君との幸せな思い出も
薄れてしまいそうで怖いよ
「ちゃんとご飯を食べなきゃだめだよ
朝になったらカーテンをあけて
洗濯も掃除もちゃんとやるんだよ」なんて
お母さんみたいな手紙と、ひだまりを残した
君をどうしても忘れたくないけど
もう僕は、前を向き歩き始める
君の体温が薄れゆくことに慣れるまでは
ねぇ、
君との淡い幸せな記憶に、たまには逃げてもいいかな
明日は少し出かけてみようか
流行りの映画でも観るよ
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