生まれた時には終わっていた
この悪い夢はいつまで続くのか
油の浮いた水面にボウフラが湧くように
群れを成した
押し付けられた不条理の中
逃げ出すことさえ怖くてただ
微睡んでいる
あらゆる悪意を吸い取って生きて
誰一人に愛されず愛すことも無くて
背負った憎しみで僕らはいつから
眠りこけた睡蓮のようだ
生まれた時には終わっていた
泥濘みに足をとられてもがいていた
傍らをふと見遣れば
蓮が笑うように揺れていたんだ
ずっと醒めない悪夢の中
いつまでもこの夜の闇が明けないまま
あらゆる悪意を吸い取って生きて
誰一人に愛されず愛すことも無くて
濁った泥中で僕らはいつまで
咲き方を知らずにいるんだ
光のない場所で萎えてうなだれた花びら
醜さゆえ疎まれたその種が肥えていく
あらゆる悪意を吸い取って生きて
誰一人に愛されず愛すことも無くて
それでも暁が僕らを照らして
白く染まる日を待っているんだ
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