カミナリグモ

  • FLAG MARCH – カミナリグモ

    理由や意味からはぐれてもうずいぶん経った時代の外れつぎはぎだらけの 古びたフラッグうなずくようにはためいているひらひらと 理想と呼べない空想だけ両手でやっと抱えて運ぶふらついた隙にこぼれる度キミは笑って拾ってくれるおいでよと 手招いて 心に旗を立てて 選んだ方へ行くんだあざ笑う風を蹴って 願った方へ行くんだ世界の片隅だった 僕らの居場所はさっき世界の真ん中だって 僕らの旗を立てた 利口なふりして牙…

  • native town – カミナリグモ

    どこか行きの青い標識呼び方も知らない街きっと僕や僕の街も誰かにはそうだろう 遠くカンカンと うねる沿線に響く耳慣れた音色それは淡々と どこか安心でまるで母の声みたいで 目まぐるしく変わる信号キミの本当は何色?もしどれでもないとしたらどんな色だろう 空は段々と 染まる橙に今日という日を燃やしてそれは煌々と やけに堂々とまるで父の背中のよう どこか行きの僕の標識行き先は見当たらない色の消えた信号機が僕…

  • Another Trip – カミナリグモ

    ふやけてもう読めなくなった地図と 出せないままの手紙でも捨てられないまま ポケットの中でかさばっている フライデー 騒いだ街を脱け出した 弱気で強気なステップで風と踊るようなシルエット 僕を連れて行ってくれ how many lights? how many nights? how many miles do we have left?how many words? how many hours?…

  • カウントダウン – カミナリグモ

    足音をたてる秒針が今も世界を塗り替えたよ何週目の旅? 疲れもしないでぐるぐるまわって 繰り返す迷路の途中で僕らは何度も迷うだろう焦ったり 不安で立ち尽くしたり泣き出したり 時間が僕らをさらって見えない明日が見えるよまばたきでタイムスリップここが キミの未来 3 2 1! まぶたの片隅に今でも腰掛けてこっちを見ているまぶしい記憶に話しかけたって返事はないさ 僕らは始まったときから終わりに向かっている…

  • ロードムービー – カミナリグモ

    ここからは僕にまかせてぶかぶかの錆びたヘルメットもうずっと見放されてる衛星にウインクして すれ違う風にうたうよありふれたロードムービーもうすぐで道が分かれるどっちだっていい キミがいれば どこへ行っても 何をしててもキミがいるだけで 特別なんだ映画みたいさ 傾いた空につられて凸凹に伸びるシルエットどこにでもあるような日々の隙間ではしゃいでいる 夜になっても 雨に濡れてもキミがいるだけで 安心なんだ…

  • 絵空事 – カミナリグモ

    もういい加減出て行くよ 見放されるのには慣れたとさよなら ごめんね でもずっと楽しかったんだよ もう期限切れのジャックポット 愛想尽かしてもいいのにどうしてキミだけ 僕のこと 分かろうとするの? 使い果たして 乾き切っている心の砂漠に降る雨小さな花が咲いた 僕にしかなれない僕のそばでキミにしかなれないキミが笑うまるで絵空事 誰かが言うでもうつむかない キミがいれば 未完成のままのパズル 忘れ去られ…

  • 月と街灯 – カミナリグモ

    朝のにおい 少し苦手 追い払うように眼を細めて外の車 曇った窓 なぞって濡れた指先はまだ キミに触った 温かかった やさしいだけの記憶宿して今ではもう作り話みたいで笑えるけど 街灯の明かり 僕らこっそり 心の裏側 覗き合ってちょっと照れくさい 夢の話 相槌打って 聞いてくれたいたずらっぽい横顔が好き 髪のにおい 口癖とか鼻歌とか 星の空も 全部引き剥がして また朝が来る 冷たいドアノブをまわして …

  • Quiet Howling – カミナリグモ

    傘を杖にして歩く 雨上がりのアスファルト夜空にキミを浮かべて 見とれている まばたきの隙に変わる 場面の一つずつ僕には宝もの もしも僕じゃなくても どこかでキミが笑ってるなら ほんとさそれでいい それでいいそれでいいんだ でもおかしいな 胸が痛い 遠吠えが月に似合う 線路脇の路地を抜けいつかのキミの鼻うた 口ずさんで ため息の後ですぐに したたかに微笑んででも寂しそうだな もしも不安で世界が濁って…

  • フラスコ・ステイシー – カミナリグモ

    フラスコで育った夢 揃えたばかりのアーマードガラス越し狙っていた とぼけたふりで焦がれて ステイシー 合図は待たないで傾いた夜に滑り出すステイシー どこまで行くつもり?野暮ね そうね どこか ノスタルジーに浸っている 荒野ではぐれたムスタング孤独と自由を知る 分かったふりで風を切った フラスコ飛び出した夢 擦り傷だらけのアーマードあらすじを壊していく こころの声がする方へ ステイシー 涙はそのまま…

  • 春のうた – カミナリグモ

    おだやかな風をうけ ベランダのシャツが揺れ少しはやい冬の暮れ せわしくページはめくれ何だか取り残されて 聞こえないふりをしてめったに見ない映画を 借りて見ようとしたり 不自然な気もするけど そんな日もあっていいよ甘い紅茶を片手に 小さなテレビ画面小きざみに変わる風景 わりと泣けるいい話気がつけばエンドロール 夕食を作ろう 名もない時間に揺れている 僕なりの名もない春のうた 明日 髪を切ろう なつか…

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