アリス

黄色いかもめ – アリス

黄色いかもめが低く海を飛ぶ
群れから残されて まるでつかれたように
夕空にそまることなく 低く海を飛ぶ
バルセロナの港は 今日もくもり空

待てとも云わずに いつも男は
見果てぬ夢だけを追い求めながら
どこかの空の下で くち果てるまで
港でその翼を休めはしない

ただ待つだけの人生にさからいもせずに
そっと年老いてゆく そんな愛がある
黄色いかもめが低く海を飛ぶ
だれかが待つように 低く海を飛ぶ

海が幸せをはこんでくるなんて
悲しい女の 作り話さ
酒でものんでさわいで
夜が明けるまで 明けりや
今日とはちがう 明日になるさ

ただ待つだけの人生にさからいもせずに
そっと年老いてゆく そんな愛がある
黄色いかもめが低く海を飛ぶ
だれかが待つように 低く海を飛ぶ

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