みやさと奏

かもめ町一丁目 – みやさと奏

吐息しぼって寝返り打つと
波止場のかもめが夜啼(な)きする
右の枕はあんたの陣地
あれからぽっかりあいたまま
海の男は遊んでなんぼ
惚れたら負けよと笑われて
膝っこまるめて浜歌うたえば
あんた恋しと恋しと涙がしける

星の数ほど男はいると
姉さん強がり言うけれど
潮が引いてもからだは残る
あん時いっしょに濡れたまま
海の男は暴れてなんぼ
信じちゃ駄目よと泣かされて
漁(いさ)り火ゆらゆら思い出たどれば
未練あふれてあふれて背中がしける

膝っこまるめて浜歌うたえば
あんた恋しと恋しと涙がしける
会いたい 会いたいよ
つれて行ってよ どこへでも…

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約束します – みやさと奏

木洩れ日ゆれて サラサラと優しい風が 涙をぬぐう見慣れた文字の 絵葉書を両手でしっかり 抱きしめる世界で一番 大切なひとかあさん喜ぶ あの笑顔 そう 見たいから

風港 – みやさと奏

風よこの恋を 叶えてくれますかたとえつらくても ふたりと決めました峠(とうげ)ノ神山(かみやま)おろし吹く 北の入江にも白い…白い石楠花(しゃくなげ) 乱れ咲い

運命の海峡 – みやさと奏

波間に浮かんだ小枝の上で渡り鳥は 羽根を休めるという私なら命が尽きるまで飛んで あなたに逢いにゆく恋がこんなに 苦しいとあなたに出逢って知りました…男と女のあい

海猫のら – みやさと奏

群れからはぐれた 海猫は傷つくことが 好きなのさ大きな波と たわむれて自分の強さ ためすのさ真っ白気まぐれ 翼が折れた海猫をあんた あんたと呼んでひとり見つめて

逢いたくて金沢 – みやさと奏

七つの橋を 振り向かないで渡る渡れば願いが かなうと聞きましたあの日交わした 約束は夢ですか 嘘ですかこころが 身体(からだ)を抜けて果てない 愛に走る何故だか

情なし – みやさと奏

あげる物など もうないしいつかこうなる 気がしたわさっきあんたが 投げつけた別れ話が 突き刺さる情なし男に 騙されちゃった悲しい女の 独り言こんなもんなの 男と

ながれ星 – みやさと奏

呑めないお酒傾けて 夜が更けて行くひとりの夜のむなしさは 捨ててしまいたい一つ二つ三つと嘘を 重ねるあなたもういいの…どこへでも消えてよ 辛いから恋は夢、夢なの

東京迷路 – みやさと奏

街の灯りで つぼみも開くそうよあたしは 夜の花嘘も上手に つけるほど悪い女に なりましたそりゃあ時々 寂しくてひとり泣いたり するけれど切ないね 悲しいね曲がり

もいちど生まれてくる時は – みやさと奏

もいちど生まれてくる時はわたしは女を選ばない雨の新宿 ネオンの花火行きずり くちびる 爪の跡街にまぎれて 恋にはぐれて今更どこへも 帰れないもいちど生まれてくる

カモメさん – みやさと奏

陽はのぼる 船は行く白い波間に カモメさんあのひとは いまどこにひとりしょんぼり つぶやくのカモメさん カモメさん どうすりゃいいのわたしこころが 行き止まりあ

室蘭恋はぐれ – みやさと奏

涙かくした この掌(てのひら)も夢を見ただけ 幸せでした海猫(ごめ)に尋ねた あなたの行方(ゆくえ)ふたりの命 ひとつに重ね朝を恨んだ 絵鞆(えとも)の岬愛がさ

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