まふまふ

  • 失楽園 – まふまふ

    契る千の生涯は深く目を閉ざした芽吹けば枯れゆくボクら何処にいるのだろう 「もしも一切を分かち合えるのなら」願いはただ追憶の知らせ風間の貰い火 これでいい これでいいすれ違った刹那に 過る空想 君を愛していたよ 両翼の運命も笑い合う今日も機関銃の空へ心に意味がある意味もない躯体何処かで出会っていた出会っていたんだ 此処じゃない世界なら映し鏡の瞳に映る 少女は夢見ている 春の事触れ 値札のついた命で日…

  • 青春切符 – まふまふ

    だいたいはそんなもんだろうとため息で冷ますミルクが人肌になったなら朝食ってことにした いつか見た誰かが 窓ガラス越しにすれ違うあの日のボクらなら 手を振って笑っていた? 忘れたよ忘れないよって誓ったことほど小さな駅を飛ばしてしまうように 夢のベルが手招くエンディングロール青春行きの5番線ホーム列にあぶれて胸を撫で下ろしている 背負い込んだカバンの底にあったいつかの行く当てだとしたってきっと立ち止ま…

  • 二千五百万分の一 – まふまふ

    忙しない往路 夕に凪いだ 風擬き忘れ 忘れられそうになって 花霞ふわり 窓越しの春に気づいたのは有り余るほどの軌跡 あの日足を止めてみたから雨が止んでいたからああ 気まぐれが寄り道を促して君に出会えたのだ それくらいのことも当たり前に思えないや たとえば偶然を運命と呼べたら明日は前を向けるのか そうやって 何遍も願ってみせるが人生なんだ 君もそうでしょ? それは二千五百万分の一を辿り歩く夢の満ち欠…

  • ブレス – まふまふ

    僕ひとりで繋いで鳴いたって息がしたい 散々吸って 思いやりごっこして また他人のふりそんなんばっかもう疲れちゃったんだ まだ救えたのに 見たくもないのに見えてしまうんだ いつしか目を塞いでしまったんだただ生きることに必死だった けどほんとは守っていたかった 僕に何ができたのかな グッドバイしないと思っていたなのになんでどうしていなくなっちゃったの僕ひとりじゃ重くてどうかしちゃいそうだ「しょうがない…

  • 栞 – まふまふ

    目を開けば気づけた今日が今日でないことここがあの続きとは違うこと この先の未来すら神様の筋書きでしょうか晴れ間を指でなぞった ずれた空間が 在りがちな雨の匂いを呼び込んでねえ きっと答えだってこんな両手じゃ溢れてしまうのに 逆さまの時計は右回りのまま今日を残した栞もない夢何回どうしたって目を擦れば笑えないボクたちは 明日を遮るような霧雨に濡れて大事なものを見間違っていくんだすれ違う君の 傘を探して…

  • 命に嫌われている。 – まふまふ

    「死にたいなんて言うなよ。」「諦めないで生きろよ。」そんな歌が正しいなんて馬鹿げてるよな。 実際自分は死んでもよくて周りが死んだら悲しくて「それが嫌だから」っていうエゴなんです。 他人が生きてもどうでもよくて誰かを嫌うこともファッションでそれでも「平和に生きよう」なんて素敵なことでしょう。 画面の先では誰かが死んでそれを嘆いて誰かが歌ってそれに感化された少年がナイフを持って走った。 僕らは命に嫌わ…

  • 片恋 – まふまふ

    式のあとの教室に 吹き込む春の風友達の輪の中で 泣いてる君を遠くで見てた いつでも言える気がして 最後まで言い出せなかったこんな意気地のないやつ 好きなわけないよな 伝えられずに 胸の奥にしまった叶うことのない想いは どれだけ時が過ぎて大人になっても 変わらないから思い出なんて呼べない ありふれたあの毎日はもう戻らないずっと君が好きで 好きだった たぶん気づいてないだろうけれど 教室の窓から 吹き…

  • 夜空のクレヨン – まふまふ

    世界中のクレヨンを 振りまいた夜の上君に聞こえぬように 夜空へつぶやいた ねえ 御大層なストーリーや誇れるような未来じゃなくたって君との明日を探していた星空 晴天の空も寝静まるような静寂と今日は 七夕の夜火照る頬を気づかれぬように君の前を歩いている 夏風 月影 慣れない下駄の音夜空に響く 世界中のクレヨンを 振りまいた夜の上そんな恋に気づくのは 少し先だった ねえ 御大層なストーリーや誇れるような…

  • ノンタイトル – まふまふ

    朝をこぼした木組みの隙間風の抜け道 春色の空君の寝言がつぶやくすべてで今日が始まるみたいな 蜘蛛の巣張った戸棚を開けてカビ生えかけのライ麦のパンかばんに詰めてどこかへ行こうか君の知らない街 道行くだけで台詞もなければ撮り直しもないワンシーンどのカメラにもこぼれた世界に台本も監督も何もないただの居場所のひとつもないそれがボクの映画か 失ったものなんて数えなくていいよボクら理由無しに生まれたノンタイト…

  • 携帯恋話 – まふまふ

    いつまでも手放せない感情はひとさじの甘さで薄汚れている憧れの物語と違うのはどうしても 不安になる以上の感触が足りない チクタク チクタク君と交わす とりとめのない言葉 結わいてチクタク チクタクお別れの頃合いになっただけ口元に残る甘さはどこへやろう ねえ 愛してを繋いで 嘘だって笑ってどこへいたって受話器越し手頃な恋話 決まりの台詞 息をひそめて「愛してるよ」 口をつけずに冷めた紅茶を捨てられない…

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