ひかりのなかに

瞬間プラトニック – ひかりのなかに

瞬きよりも短い夏
どうせ叶いはしないけれど
夢ばっか見ている

あの子に見惚れて
頭が埋まる日々です
非現実的な妄想をしてるから
声もかけれぬまま
全校集会で名前順すぐ後ろ
君の気配で息がつまる
君は知らない 癒えない優しい傷

浮つく生徒を掻き分けて
耳をかすめる色恋に焦る日々よ
加速する自転車漕いで
駆け抜けてゆく
気づかれぬように

塩素の匂いが薄れても
煌めいた少女よそのままで
笑いかけてくれよ
ソーダ水よりも透き通った
君の目をのみこませてよ
夏が過ぎてゆく

まとわりつく風よ
夏めいた日々はただ
君を昨日よりも美しくする
敵わないくらいに

あの子がアイツと
恋をしてしまったら
大人に変わってしまうだろう
染まらないように 守れたらいいのに

混じり気のない気持ちなんか
僕以外に持ち合わせてはいないから
君よただ傷つかないで
不甲斐ないぼくの遠吠えが響いた

瞬きよりも短い夏
教科書に書いた君の名前
悔しいくらい夢中
どうせ叶いはしないけれど
あの子の香りに溶けて
夢ばっか見ている

夢ばっか見ている

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