てにをは

かぎろひ – てにをは

袖摺坂で物怪の尾踏む
切れかけ街灯
生まれた時から視えてた 潤う魑魅
座敷牢愛せ 蜃気楼来世
明けの鵺鳥なぜなぜ泣くの
影追い古書街人知れず駆けた
妖到来 帯を結い

芥川を 懐に忍ばせ
荒事こなす

オレは君の矛でいい
滅ぼす力を呉れ
おいたが過ぎる怪に
お灸すえる調伏家業
現在(いま)は探偵團

麒麟児と呼ばれていた 友など不要と
毒制す毒 鬼喰う鬼の生涯

小泉八雲 懐に忍ばせ
荒事こなす

オレは君の矛でいい
無慈悲な力を呉れ
調伏の刃抜けば
納める鞘はなし

Fuck ‘Em All Kill ‘Em All 肉親さえも
ばっかもんそんなもん 斬り捨てご免 ヤタタタタ
ばけもん斬っても 心は晴れんもん
でも出会った 友達になった

どうせ独りだ
汚れた手の平
これでいいのか?
いやこれでいいんだ――なんてうそだ

独行道 陽炎みたく 血だまりに立つ
どこだ 回廊の果て 陽だまりはどっちだ

花よ咲け 書よ開け 日差しを吸いこんで
花よ咲け 書よ開け 独りじゃなかった

だからオレは君の盾でいい
優しい力を呉れ
いつか力尽きても
笑っていてくれるならそれでいい
オレは君の盾でいい
護れる力を呉れ
生きていてもいいのか
生きててもいいんだ

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