ぞんび

腐り姫 – ぞんび

咲き誇る花は 全てを彩る
目映い明かりに誘われて
冷たい夜風は 脆くもかき消す
点けた煙管の残り香さえ

煌めく遊廓 此処で私は
愛に飢えた男(けもの)を飼い慣らす
春の夜風が靡く 商売道具、自分(わたし)
ギュッと
抱き寄せた背中 熱い水滴(しずく)が
垂れ落ちる

桜舞い散る此の場所で
今宵くるくるくるくる回ります
此の世で 私は 一番の不幸者なのです
色とりどりの花咲く一間で
絶えず、くるくるくるくる回ります
此処では 私が 世界で一番のお姫様
きっとね

偽りだらけの 恋はもう疲れて
生きる意味失って 息切らす
夜の帳が告げる をんなの運命(さだめ)だと
そっと
極楽の果てへ 淡く儚く
舞い落ちる

桜舞い散る此の場所で
今宵くるくるくるくる回ります
此の世で 私は 一番の不幸者なのです
色とりどりの花咲く一間で
絶えず、くるくるくるくる回ります
此処では 私が 世界で一番のお姫様
ずっとね

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