それでも尚、未来に媚びる

暮れぐれも – それでも尚、未来に媚びる

彼岸に刺す い草の匂い 思いの丈をしたためた歌
答えを探して迷いながら 細胞、幻想として

誰そ彼にそっと砂利道鳴く 街灯がポツリと寂しい顔
「お前もか」なんて零したなら 細胞、残像 ゆらり

燦然とした譽れの歌 二丁目をふらりと彷徨って
あなたがくれた歪な愛が 残した憎しみだけ

秋を殺した寒空が あなたを赤く染める
目と目、手と手、重ね合わせて 巡る時間が来いよ

今日も一人で帰る道 あなたの長い髪が
揺れて、全て重ね合わせて 回る世界を止めて

燦然とした譽れの歌 二丁目をふらりと彷徨って
あなたがくれた歪な愛は 温かい気がした

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罪憐 – それでも尚、未来に媚びる

脆く、呆気なく退廃する 鋼鉄のサイレンと焦燥と絶えない抗争のサイレント 最低な罪を平行線上 譲れないと 放射線状 広げないともう二度と触れないと そんな気がした

処暑 – それでも尚、未来に媚びる

もう嫌だなんて他人のせいにして逃げ惑う僕は嘘に囲まれて八月に書いた夢は雨曝しで溶けていく顔で偽って笑って 心は泥まみれで一人、抱え込んで何かに縋り付いた感情が溢

殺風景な夜に涙で濡れた花束を – それでも尚、未来に媚びる

殺してくれよ こんなにも苦しくて辛いなら揺れた心も 冷たい風も まだ温度が残る肌も翳って見えるのは笑顔か キラキラ光るのは涙か感情を手繰り寄せて手のなる方へ 遥

友達を失くした日 – それでも尚、未来に媚びる

或る絆さえ引き離す風誓い合った言葉はまだ遠くもどかしく交差する声は儚く舞うただ記憶だけが美化されてふわふわと舞う一つ、二つと指折り数えて変わらぬ場所で待った時間

浅き夢見じ – それでも尚、未来に媚びる

こんなに小さな願いも届かず見えない未来が僕を嘲う鈍色の街で輝けない 古臭いネオンの光にさえあの日、あの時、あの場所でだとか立ち上る煙に巻かれて 消えていきたいな

高架下心 – それでも尚、未来に媚びる

降下した居場所 朝日を迎えるなんだか後悔して光を遮る明日のことは分からないけどせめて家で笑えたらな高架下 ほら、鋭い風が吹いて懐いた猫は居なくなったよガードレー

ディスラブソング – それでも尚、未来に媚びる

誰が咲いて歌えどもただただ頷くだけ感覚を捨てたあなたにさよなら心を巣食う愛しのあなたへ理想はとうにかけ離れて頭の中では落ち込んだ鳴らさない内緒の音で「殺し続けて

この春を繋いで – それでも尚、未来に媚びる

この足で歩いていく何も成し得なかった今日もしがない人でした情けない表情さえも嬉しいと、悲しいと動くのは芯の感情で「本当は嘘でした」まるで夢の中でさ、どうやら脳は

昨日のこと – それでも尚、未来に媚びる

黄金の街は僕を置き去りにして追いかけても 離されていく息が肩に見えていた僕は項垂れて悔やんでいて日陰から焦がれた焦げたアスファルトの蜃気楼夢は映らなかったイエス

破戒 – それでも尚、未来に媚びる

腐って生きてるあなたが金木犀の甘ったるい香りと心を奪っていった熱を帯びたモーターと夜光虫のもげた足の数本が“あの日”をフラッシュバックして鮮明に刻む僕なら迂闊だ

摂氏4℃ – それでも尚、未来に媚びる

またねって消えていく回想に更け込んで終わりの駅改札を抜けた方角は闇討ちと過ごした懐かしい街並みへあなたの胸に初めて触れて全てが終わりの始まりでした呼吸が、心臓が

グッドバイ – それでも尚、未来に媚びる

そう、本当に勝手でさ「大丈夫」いつもの合言葉缶コーヒーと煙草の火白い息と煙 断つあー、いない いない温もりも 声も癖も終いには忘れていく埃にまみれてさ耿々と消せ

也子 – それでも尚、未来に媚びる

ハロー なあ、未来は今明るいか?摩耗した神経 研ぎ澄ます声ハロー 今日も僕は僕を晒すごめんな それでも歌い続けるよ夜の灯火 帷の果てアナログテレビの砂嵐遠くへ駆

ノットデッド – それでも尚、未来に媚びる

死にたくなるようないつもの帰り道綺麗な宵闇 嫌味な星もういいや 触れないでよ 汚い手でもういいよ 判ろうともしないで明日も辛いのに笑うだろう痛みも繰り返し続くけ

軋み – それでも尚、未来に媚びる

雨は遣らず空は僕を置いて泣いた前髪が濡れていく優しい嘘だった奈落で待っている何度も寂しくなって午前四時、沈み ふらりと歩く何度も仰いだ空は散る煙雲に天照らす月邂

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