しゅーず

ミックスジュース with luz – しゅーず

白い俎板[ベット]寝かせたら、優しく皮剥[ぬ]がせてゆく。
怪我したりしないように、2センチほど丁寧に切り分けて。

檻房[ミキサー]に閉じ込めて、その蓋[くち]を塞いだら、
お楽しみはこれから。
攪拌されて果汁[なか]がとろける。

凍らせたら程よくスムージー。
蜜柑[みつ]を添えてトロピカル。
口唇[グラス]に注いで出来上がり。
君の好きな味はなに?

出会うはずのない体温が、ふたつ混在[まざ]り遭う愛のジュース。
内側が渇けば欲しくなる、午前0時。
罪の果実をその中に滑り込ませたら、僕のペース。
レシピは秘密だよ。明かせないオトナの2乗[じじょう]。

君はソレを飲み干して、口を拭いて「ごちそうさま」。
お楽しみはまだまだ。
染みついたら水に洗流[なが]して。

お望み通り甘蕉のシェイク。
ただ恋愛[こいめ]のミルク味。
もう一杯[ひとはい]のリクエスト。
僕は君の味が好き。

夢中になってどちらかが、腐敗[くさ]ってしまえば愛もルーズ。
花の房は優しく扱って、零さないよう。
罪の果実をその中で搾られた方が、君のニーズ?
事後[そのあと]を考えないほどに狩りとれば、熟れて落ちる。

夜の光を消し去って、まだ君が視えるほどの距離。
その靴を脱ぐ事さえ忘れ、絡みつく。雑じりっけないほど。

罪の果実でその中に流し込んだのは、僕のジュース。
レシピは秘密だよ。明かせないオトナの2乗[じじょう]。

それ以上は危険、交配[まぜ]ないで。

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