さだまさし

  • 私の小さな歌 – さだまさし

    美しい港町で生まれた夜景は煌めく銀河のようだった魚市場の向かいの三角屋根の駅の隣に名画座があった辛い時は古いシネマのように幸せな日は甘い名画のように私という名のとても小さな歌は黄砂の町で生まれた生きることは難しく 痛みと悲しみを連れて迷い道辿り辿りながら ひたすら歌って生きた嫌われたり愛されたり 傷ついたりまた傷つけたりでも私は一度も誰も恨まなかったそれだけが小さな誇り 喜びや悲しみの時いつも私は…

  • 中秋無月 – さだまさし

    秋の霧の中傘もなくそぞろに歩けば庭先にふと龍胆や藤袴今宵中秋無月なり心を決めて会いに行く病室の窓に友の顔十五の春のそのままにお前少し痩せたか秋も秋 今宵も今宵 月も月所も所 見る君も君早く春よ来い 今日から秋ぞと吹く風に寄せては返す思い出のように誰かのさらうパガニーニよもやデルジェスとは思わねど鮎の甘露煮で新走り今宵は尾花に献じましょうボーイスカウトのあの頃にお前少し老けたか秋も秋 今宵も今宵 月…

  • なつかしい未来 – さだまさし

    桜雨の中でふたりきりで見上げたでしょう大きなあの木はもうここには居ないけれどあなたはそばに居てくれる子供の頃からねずっと夢見た温かな笑顔はあなたの心に棲んでいたなつかしい未来にやっとたどり着くことができたよこれからは僕があなたを護る大きな木に育ちましょう遠すぎたしあわせまでもう少し辿りましょうこの道を 煌めく花びらが吹雪のように日差しに舞い大空に散りばめられてゆくこうして今年の桜が去って行くのです…

  • 愛によって – さだまさし

    人は生まれていつか去りゆく誰かのためでも自分だけのためでもない人生人を愛して時には憎んで憎しみも愛の一つと気づけば人生壮烈ないのちを動かすものは愛です愛がなければ人とは呼べないものです時として愛はふと生まれたり消えたり見つけたり見失ったり忘れてしまったりでも私は愛によって生まれ私は愛によって生きる 私が生まれいつか死ぬことも誰かのせいでも自分だけのせいでもない人生愛がなければ何も動かない夢も希望も…

  • はてしない恋の歌 – さだまさし

    あの夏の終わりの恋は時をこえてまだ胸に咲く散ることを忘れた花よ君の名は はてしない恋の歌 窓辺に嘘を飾り 君の名前を隠す滲むように痛むように いとしいよ君の面影だけを 息をころして呼べば風のように夢のように 夜はふけてゆくよ 暖炉で嘘を燃やし 忘れたふりで過ごす忍ぶように祈るように いとしいよ君の面影だけが 永遠の向こう側来ない春を待ち続けて 時は過ぎてゆくよ あの夏の終わりの恋は時をこえてまだ胸…

  • マイアミの歓喜もしくは開運~侍ジャパンと栗山英樹監督に捧ぐ~ – さだまさし

    いざ狭き門より入れ夢を高く掲げて持てる力の全てを尽くして女神を待て さあ狭き門より入れ夢を正夢にしよう憧れるだけじゃ駄目だ追いつき追い越して行け みんなが苦しんで毎日生きてるあのマイアミの歓喜に勇気貰った ひとりは小さくてとても弱いけれど力を合わせたらきっと何か起こせる 待ってちゃ駄目なんだ夢を迎えに行こう全てを尽くしたら大きな夢が動く ほら運が向こうから来る命を懸けて掴め時を絶対逃すな自分を信じ…

  • ドレスコード – さだまさし

    ねえ本当に葬儀にアロハシャツで出るつもりなのかい全く君のしてることはそれと一緒さあいつの結婚式には喪服で出るつもりかな全く君のしてることはそれと同じさ折角だけどそれは格好いいなんて思わない君らしいとおだてる奴もあるって聞いたけど多くの場合それはやさしい罠の一つだよ昔から悪魔は天使の顔で近づいてくる形じゃ無くって心の話をしたいだけなんだ心にもドレスコードは必要だと思う友情なんかを押しつけるつもりなん…

  • わたしはあきらめない – さだまさし

    不幸な人が近くに居るから自分の幸せに気づくみたいでも幸せな人が消えてしまえば不幸せに誰もが気づかないそんな言葉を私は信じないさいわいはいつでも私の中にある感じないのは必ず自分のせいでほかの誰かのせいじゃないだからどれほど辛くてもたとえどんなに苦しくっても決して決して決していのちを諦めない 善人がうっかり間違えたら急に悪人だと嫌われるけど悪人がうっかり良いことをすれば急に善人だと持ち上げられるそんな…

  • 夢の街 – さだまさし

    夢でしか行けない不思議な街があるそこには夢でしか会わない友達が暮らしてる僕はそこでは歌わないどんな仕事をしてるやら悩みや苦しみもそれなりにあるようだでも決して居心地は悪くないんだ曖昧に目覚めたあと奇妙に淋しくなるそんな街がある 路肩の壊れたハイウェイ空を飛ぶ犬や猫一体どうしてそんな街で暮らし始めたんだろうそこに家族は居るかしらどんな人たちなんだろう悩みや苦しみはどこにでもあるものでその街でも僕は悩…

  • 昭和から – さだまさし

    電話のダイヤル回す指が震えた声を聞くだけで幸せだった駅の伝言板に君の名前を書いた君はやがてそこにサヨナラと書いたあの日貧しかったけど諦めなかったあの頃夢は次々と生まれては消えてった僕は昭和から来て今未来にたどり着いたまだ終わらない物語をも少し読んでみようか 手紙の下書き書いては消して出せないまんまちぎって捨てた原っぱに仲間とごろりと寝転んで星を見てたら涙がこぼれた苦しかったけど自分を捨てずに済んだ…

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