こおり健太

線香花火 – こおり健太

あなたと買った花火 あの夏の日はもう遠く
狭いベランダでひとり 想い出に火をつける
心でちりり 線香花火
夕陽のように 燃えました
心でちりり さみしい花火
燃え尽きないで 落ちました
忘れても忘れても 忘れられない

どうして愛は消えて まだ哀しみは燃え残る
ずっとふたりだと言った 約束に火をつける
さよならちりり 線香花火
私のように 燃えました
さよならちりり さみしい花火
燃え尽きたいと 泣きました
逢いたくて逢いたくて 逢えないあなた

心でちりり 線香花火
夕陽のように 燃えました
心でちりり さみしい花火
燃え尽きないで 落ちました
想い出と想い出と 生きてゆきます

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おぼろ月 – こおり健太

吐息に曇る 手鏡に書いてまた消す あなたの名前やつれて痩せた 指の先一人の夜は 長すぎて他の人など 愛せないあなた恋しい…窓に涙の おぼろ月別れが来ると 気づか

泣いてください – こおり健太

激しく 雨が降りしきる二人の別れ 急(せ)かせるように理由(わけ)など聞かない 聞いたならなおさら惨めに なるだけね泣いてください 私のために嘘でも涙を 流して

桜の下で – こおり健太

舞い散る花びら 見上げれば月日の速さ せつなくて私が生まれた お祝いに桜を植えて 桜を植えて くれた人ふるさと 山脈(やまなみ) 春霞(はるがすみ)あなたの眼差

片瀬川 – こおり健太

あなたを今日で あきらめる決めてはみたけど 逢いたくて泣いて焦がれる 胸の内好きと告げたら 罪ですか叶わぬ恋とわかっていても そばにいたい瀬音哀しい 片瀬川愚か

笑顔の宝物 – こおり健太

ありがとう これからも(これからも)ありがとう いつまでも(いつまでも)夢を信じて どこまでも人は誰もが 淋しがりひとりきりなら つらすぎるそんな時には いつだ

北行路 – こおり健太

許して欲しい ばかでした寄せ来る波が 胸を打つ誰より大事な 人なのに気づいてみても 遅すぎるあぁ あなたにもう一度 逢いたくてたずねて来ました 最果て北の町あな

面影哀愁 – こおり健太

ガラスの窓に 降る雨が今夜も想い出 連れて来る赤い唇 震わせて涙で送って くれた女(ひと)……胸に面影 また浮かぶあれから何年 過ぎたのかひとりとまり木 酒に酔

女の口紅 – こおり健太

愛しても 愛しても 届かないいつか口紅(べに)さえ 色褪せて 夜が更けるあなた二人は 終わりでしょうかあぁ 今夜も待たされてそれでも信じたい ばかですねこの胸を

風の道 – こおり健太

今は冷たい 風さえもいつかは背を押す 風になる何度も夢に つまずいて何度も心が 傷ついてそれでも今日まで 生きてきたこれからも これからも 迷わずに歩くどんな時

山吹の花 – こおり健太

もしも世間に 知れたなら別れる覚悟の 私ですつらい噂が たたぬよに息を秘(ひそ)めて 待ちわびる咲いて実らぬ 山吹の花に重ねる 恋ひとつふたり暮らせる 約束は望

霧雨の街 – こおり健太

他の誰かと 寄り添い歩く髪の長さも 短く変えた うしろ影今さら君に 会えるはずない迎えに来るのが 遅すぎたよね哀しみが 降りしきる 霧雨の街つらい気持ちも わか

雨の舟宿 – こおり健太

雨の舟宿 忍び逢い胸に涙の 露しずくつらい噂に 流され泣いて泣いて明日(あした)は 他人の二人添えぬ運命(さだめ)の 恋の川川の岸辺に 寄り添って暮らすことなど

風花 – こおり健太

咲いてはかない 風花は消えるさだめの 雪の花まるでふたりの 恋のよう抱いてもすぐに 消えてゆくどうかどうかどうか お前だけだと嘘でもいいの 言ってください…帰る

泣きみなと – こおり健太

やめて やめてよ 抱かないで捨ててゆくなら 傷つけて風も泣いてる 泣きみなとカモメお前も 泣きなさい女ひとりで 生きられないと夜の…海を見るさむい さむいわ 桟

隠れ月 – こおり健太

雲に隠れて 見えない月はまるで倖せのよう はかなくてねぇ ねぇ あなた…どこへ どこへ 行ったのよこんな女の 心の闇を照らしてくれた 男(ひと)でした胸に隠した

歩き続けて… – こおり健太

坂道があり 曲がる道あり背中を押され 歩き続ける見落としてきた 愛も幾つか忘れかけてた 優しささえもあっただろう… ただ… あっただろう振り返りながら 人は歩い

さいはて港町 – こおり健太

ふるさとはさいはての 名もない港雪が飛ぶ波が散る カモメが凍るいいことは何もない 町を捨て逃げるよに飛び乗った 終列車帰りたい 帰れない女の涙が 雨になる恋をし

恋瀬川 – こおり健太

川の瀬音も 雪解け水に嵩(かさ)を増すのね ねぇあなた心しずかに 生きれない女ごころに 似てますねどうぞその手で 受け止めて堰(せき)を切る切る 恋瀬川しのび逢

約束の花 – こおり健太

母を追いかけ すがりつき行かないでよと 困らせた優しく抱き寄せ 合わす頬僕の手をひき 足早に「枯れてしまうと 可哀想」あなたはいつも そう言った見知らぬ親子が 

初恋夜曲 – こおり健太

初恋は清き流れの 水のごといつも心に 淀みを知らず風のまにまに ひとり偲ばんあぁ あのひとは 今いずこしまい湯の母の黒髪 洗い髪若き姿に 重なるひとよ同じ旅路を

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