くろずみP[VY1]

紅蓮ノ姫 – くろずみP[VY1]

咲き乱れ 永久に鬼と消える
手放され 染まる彼岸の世に
後幾つ

誘うは“業”
焼き尽くせ“紅蓮”

一つ摘み取るは 我が身の為に
二つ摘み取るは 母の為に
三つ摘み取るは あの日の陽に
四つ摘み取るは この日の陰に

憎めや怨めと 翁は謳い
捨て子はここかと 嫗は笑む
契りを交わそう 鬼を喰ろうて
彼岸へ逝こうぞ 忘れぬ母よ

来来来
鬼さんこちらへ
来来来
手の鳴る方へと
来来来
呪うてやろうか
来来来
忘れぬあの日の

七つ夜に纏う散華

悲痛の日々を謡い 紅蓮に染まる瞳は
闇夜に散る幼記憶 母の背を見て
思い返すはあの日 売られ行く我が身の果て
朽ち果て逝く人の心 その声は
温もりを求めていたいか?
母の傍で陰を背負うか?
嗚呼… 紅蓮ノ姫よ

微風に揺らぐ彼岸花
蘇るは ハナイチモンメの記憶

憂いを抱いて 翳す刃を
汚く微笑む 鬼の首へ
醜く歪んだ 骸を喰らい
紅蓮に委ねた 己の性を

来来来
奈落に堕ちるか?
来来来
悟りに渡るか?
来来来
定めを憎むか?
来来来
愚かを許すか?

鬩ぐ声に惑う少女

嘆きの日々を数え 深淵の迷路へ逝く
陰を生きる魂は 陽を怨んで
人の身の七年と 鬼の身の五年の中
遥か遠くの母の元 求めるは
愛しさに咲き誇りたいか?
怨み辛みに散りたいか?
嗚呼… 彼岸の花よ

紅蓮に染まる月に あの日見た陰

幾年の日々焦がれ 我は鬼の姫と化し
水面映る姿形 醜き修羅よ
遠い日に見た“陽”を 断ち切る復讐の刃を
骸抱え狂い笑う 慟哭は
過ちにただ頬を伝う
最後零した人の心
嗚呼…
紅蓮ノ姫は泣く

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