かとうれい子

花いかだ – かとうれい子

石の上に 花は咲きますか
水の上を 歩けますか
無理を通して 世の中を
生きてどうするつもりです
行きなさい 振り向かないで
行きなさい 今更止めても聞かぬ人
私の代わりに 選んだ夢を
追ってください 花いかだ

月は今日も 満ちてゆくけれど
そして明日が 巡るけれど
あなたと違う 生き方を
ひとり私も 捜しましょう
行きなさい 思うがままに
行きなさい 時代の流れにはぐれずに
ふたりで重ねた おもいで達は
水に流して 花いかだ

行きなさい 振り向かないで
行きなさい 今更止めても聞かぬ人
私の代わりに 選んだ夢を
追ってください 花いかだ

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風鈴 – かとうれい子

季節はずれに チリチリと風に吹かれて 鳴る風鈴高層ビルに囲まれた路地ここはあの日のままですね時代の流れに 乗らなくたってあなたはあなた そのままでいて手の平にの

純情 – かとうれい子

ときめいて 花も嵐も越えて駆け抜けた 三年の年月(としつき)差し出した手には あなたのぬくもり燃え盛る 想いは一途片時も離れない 離さない夏が往き また秋が巡り

絵はがき – かとうれい子

青い空の贈りものそれは心の宝石透み切った あの色はあなたへの絵はがき澄んだ川の贈りものそれは心のほほえみ清らかな 音がするあなたへの絵はがきお元気ですか どうし

100年後僕らは…大洲より – かとうれい子

100年後僕らは 生まれ変わるだろうかもしも鳥になったら つばさ広げ思い出を巡ってみたい100年後僕らは 生まれ変わるだろうかもしも魚になったら 光はねる肱川(

ありふれた一日 – かとうれい子

ありふれた一日が ここにありますきっと明日も幸せで ありますように歩き慣れた道なのに 街路樹のけやきも不思議な程いつもより 違って見えるそばにあなたがいるから 

人明かり – かとうれい子

雨が上がり 虹の橋が青い空に かかってる同じ風に 吹かれながら寄り添える喜びあなたに会えてよかったと微笑(ほほえ)みあう幸せ心と心しっかり結んで人明かりで包もう

人恋染めし – かとうれい子

春は桜の 花に酔い手鏡のぞき 紅を引く愛しきひとよ 今もなお焦がれてやまぬ この思い人恋染めし 風が啼(な)く夏は祭りの 人の波日傘で隠す 切なさよ音沙汰(おと

東京夜曲 – かとうれい子

花の命の 短さよましてや恋の 儚なさや幸多かれと 手を合わせ祈りし頃も 走馬灯熱き心は 男ゆえ背中向けるも あなたゆえ昭和が見える 歩道橋わたしを置いて どこ行

こころ – かとうれい子

あなたのいない この部屋はまるで冬の ようですふたりで重ねた年月が凍えているようでこころに 形はありますかこころが あなたに見えますかおもいでが 悲しむからどう

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