おがさわらあい

1980 – おがさわらあい

世界のホームラン王も最後にはバットを置いたって頃
産まれたばかりの私を抱いてる母の古い写真
その年平和を叫んだ海の向こうの大スターが
銃弾に倒れたんだと兄貴の知ったかぶり

幼稚園の頃だったか妙な動物が日本にやってきて
エリマキ拡げて走るのをみんな面白がってた
制服を着せられた猫やピンクのサンショウウオたちは
その後自分たちの故郷(ばしょ)へちゃんと帰れたのかな

小学生の頃お葬式ごっこは列記としたイジメだと
大人たちはみんな社会問題にしてたけど
いまだにイジメはありませんでしたと隠すのもやっぱり
大人たちのほうだと思うけどな…

歌おう
遠いサヨナラの唄
どこまでも高い空へ
その声がいつか枯れても
愛に溢れてたはずのあの頃に
忘れてしまった言葉を
語り継ぐのために

日本中の景気の良さはいつまでも続かないんだと
誰もが気づきはじめた頃大きな地震がやってきた
人の命の尊さは本当だったんだなって
中学生の私は初めて人のために泣きました

大人と子供の狭間で厚底サンダル履きながら
ミレニアムの大騒ぎなんて私には関係ないって
自分の人生は自分で決めるんだって生意気な頃
同時多発テロのショックそしておとんが死んだ

それなりに恋をして将来のこととか考えて
世の中いつの間にかデジタルだらけになっていて
昔はよかったなってそんな誰かの言葉に
うなずいてる自分が可笑しかった

帰ろう
あの日見てた未来を
もう一度見上げに行こう
そこにいる今の自分を
愛に溢れてたはずのあの頃と
あの頃と同じ笑顔で
今を生きてますか?
どれだけの時代(とき)がどれだけ流れても
置き去りになんてしないよ
ずっと変わらないままの心で
この広い世界の片隅で
ただ愛のために

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